たにたに

ラブ・アゲインのたにたにのレビュー・感想・評価

ラブ・アゲイン(2011年製作の映画)
3.8
【世間は狭いよねって話】 2023年1本目

長年連れ添った妻の浮気によって、1人の男(スティーブ・カレル)が"愛"のあり方とその存在の大切さに気づいていくロマンチックコメディ。
オムニバス形式で進み、最終的に皆が繋がるカタルシスを感じることができる。

登場人物皆に共通しているのが、"暗中模索"。
キャル(スティーブ・カレル)は、長い結婚生活の中で当たり前で平凡な家庭に満足していたが、奥さんエミリー(ジュリアン・ムーア)の浮気で自暴自棄になり、ジェイコブ(ライアン・ゴズリング)との出会いによって、自分自身の幸せについて考えるようになります。
服装や髪型の見直しから女性を口説くテクニックまで教わって、次第に変わるキャルですが、結局エミリーのことが忘れられないままでいます。

一方エミリーは、夫からの愛に飢えていたと言えそうです。悪いことと分かっていても、愛を感じる方に流れていくのは夫婦間がすでに崩壊していたと捉えられます。

女たらしのジェイコブ(ライアン・ゴズリング)も、ハンナ(エマ・ストーン)の思い切りの良さを受け入れたことで、芽生えた愛にかけがえのなさを見出しました。

相手の思いに気づいたときに、それにどのように自分の思いと行動が創出されるかで、人々は日々、愛に対して暗中模索の状態であるのだと思います。
それにはまず相手を理解し、そしてそれが自分の幸せに繋がるかを感じ取ることです。
それによって創出された行動が、キャルの息子のスピーチでもあるし、それに伴うキャルの意識の変化でした。

非常に狭いコミュニティの中で繰り広げられるドタバタ劇でしたが、「愛って実は身近にあるよね」ってことを述べているのではと感じました。

ララランドコンビが今作で恋人役を担っているのもなかなかエモいですね。
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