高額バイトの求人に釣られて職場に行ったら、雇主がイかれてて大変だった系サイコホラー。
是非キャスト欄をご覧ください。
マジで2人しか出てきません。しかも1人は監督兼役者。さらにPOVなので画面に映るのはほぼ1人だけ。なのに最後まで面白いから凄い！
あらすじ…
高額報酬なバイトに応募した主人公。その内容は雇主のおっさん ジョセフの撮影をするというもの。早速ジョセフの家に行ってみると、彼は訳ありそうな男だった。どうやら不治の病にかかっているらしく、まだ生まれてない息子に父親の元気な頃の映像を残しておきたいというのが今回のバイト募集の理由らしい。ジョセフの日常を撮影し始めるが、彼はどこかズレていて…という話。
ジョセフの演技が絶妙。
ぱっと見、すごく人の良さそうな雰囲気があって、性格も人懐っこいし明るい。でも、ジョセフを映す中で、仮面を貼り付けたんじゃないかと思うような感情のない笑顔をする時があって、それが薄気味悪い。でも、すぐいつもの調子に戻るし、殺意とか危害を与えるような素ぶりを一切見せないので、気のせいなのかと思い込む。
本作の面白いところは、彼方と此方の境界線を飛び越えてきちゃうこと。どこにも逃げ道のない恐怖。でも命の危機を感じる急迫性のあるものではなくて、じわじわ忍び寄ってくる嫌悪感とか不快感。主人公からしたら確かに怖いんだけど、ジョセフの人柄的に行動が読めず、具体的にどんな危険があるのかわからない。そして、どう対処したら良いのかもわからない。
ほとんど場所移動もしないし、派手なことが起こるわけでもない。大きな見せ場や、意表をついた展開があるわけでもない。基本的におっさんが遊んでるところが映ってるだけなのに、最後まで惹きつける魅力がある低予算POVのお手本のような作品。
作品として特筆して凄いというわけではないのですが、無駄を削ぎ落とし、ジトッとした嫌悪感や不快感を与え続ける演出は素晴らしい。ジャケ写のシーンもとても良い！中盤での転機となる出来事の無理矢理感がちょっと残念でしたが、サクッとPOVホラー見たい時にはオススメ。
