きき

マダム・フローレンス! 夢見るふたりのききのレビュー・感想・評価

2.7
2016年のイギリス映画、『クィーン』のスティーヴン・フリアーズ監督作。
主演のメリル・ストリープとヒュー・グラントはゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門にノミネート。

難病を抱えながらも、オペラ歌手になるという夢を諦めない女性、マダム・フローレンス・ジェンキンス(メリル・ストリープ)。
彼女は致命的音痴であり、才能がないわけではあるが、内縁の夫であるシンクレア(ヒュー・グラント)の献身的なサポートと莫大な父の遺産のおかげで、夢を諦めずに邁進し続ける。
世間はそんな彼女を笑いもの扱いするが、次第にその負けない姿勢が観客の心を掴んでいく。

というお話。

そう言えば観てなかったなぁ、と。
当初、メリル・ストリープとヒュー・グラントの年齢差に、あれ?て思ったんだけど、映画を観ると想像以上にしっくりきてたかな。

メリル・ストリープはやっぱり素晴らしい女優さん。
でも、何を観ても、"メリル・ストリープだな"って思ってしまうんだよなぁ…本作も例に漏れず。
歌声も本物そっくりに完コピして、徹底した役作りも素晴らしいのに、どこかやっぱりメリル節。
どうしてもそこが目立って仕方なくて、ちょっとスコアは低くなっちゃった( ˘ω˘ )

フローレンスの諦めない姿は、シンクレアの献身的なサポート=愛があってのこと。
世間からの嘲笑をフローレンスに聞かせない徹底ぶりが、言ってしまえば完全に自己満で、それに付き合わされる友人たちは疲れるかもしれないけど、お金を払ってるところもあるからある意味ビジネスでもあった。
それでも、あそこまで出来るって、そういう愛の形なんだなぁ、と。

彼にはレベッカ・ファーガソン演じる愛人がいて、二重生活を送ってる。
だから、フローレンスとの結婚生活はお金目当て?と最初は思うのだけど、出会ったのは25年前らしく、そんな長い期間、単なるお金目当てであの生活を続けるのは拷問に等しい。

あれだけ続けていける、っていうのは愛の証だと思う。

それと、この二人の物語、という感じだけど、彼女の専属ピアニストを勤めたコズメも優しくてフローレンスに寄り添うような姿がとても良かったなぁ。

記録 : 2020年205本目。
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