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ファブリックの女王のbackpackerのレビュー・感想・評価

ファブリックの女王(2015年製作の映画)
3.0
北欧フィンランド。
暗く長い冬を乗りきるため、室内のファニチャーやファブリックに、明るさや奇抜さを取り入れていき、現在では、世界に誇るデザインの国として知られています。
ムーミンが森を闊歩し、アラビアやイッタラといった食器に彩られ、アデルタやアルテックといった有名ファニチャーブランドが席巻する国。
私も消費文明の奴隷として、北欧家具を買ったりしています。いつか自宅をガス爆発させる日が来るかもしれません(通じる人にはわかるネタ)。
そんなフィンランドを代表するファブリックブランドが、marimekko。
女性に人気のウニッコ柄は有名ですね。ビビッドな色で、下品にならない程度の使い方が求められる、ちょっと難しいデザインだと思います。

さてさて、映画ではmarimekkoの創設者アルミ・ラティアの人生を、女優が舞台で演技し、彼女の内側を説き明かしていく姿を描きます。

心理面……というか、アルミの人となりを描くため、外的要因は極力排除しています。
殆どが室内、それも、家具や人物が浮き立つような真っ暗な室内で展開します。
「美しいフィンランドの景色」「marimekkoの舞台裏」「創設者についてのドキュメンタリー」を期待している方は、裏切られること間違いなしです。
私の母はその口で、つまらないと嘆いていました。

私としては、アルミという女性についての深堀りが足りないかなぁ、という不満が。
アルミの人生を物真似するつもりはないと最初に言っています。
しかし、実在する人物を描いているのに、上部を撫でるだけでリアリティーが欠けているような……。
劇中劇のため、限られた空間でしか展開しないのも、あまりに閉鎖的すぎて……あえてそうする必要あったのかな?と、不思議です。

時系列のばらつき、たまに唐突に挟まれる劇作家とのやり取り。
こういった構成面も、見にくさとわかりにくさに拍車をかけていました。


marimekko。
ウニッコ柄のファブリックボードを数点、季節に会わせてかけ変えたり、壁に立て掛けたりしています。
が、やっぱりハデですね。
イッタラと共同で出している「マリボウル」は、大中小&カラーバリエーション豊富ですので、こっちの方が好きです。
ファブリックよりインテリア小物の方が使い勝手が良いなぁ、というのが本音。

皆さんも、消費文明の奴隷として、北欧家具に投じてみて下さい笑
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