B5版

帰ってきたヒトラーのB5版のレビュー・感想・評価

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
3.5
為政者をキャラクター化して一方的に愛着を持つ恐ろしさをプーチンでさんざん味わった後の2022年。
改めてやはりナチスに付随するあれこれは封印するべきで、ヒトラーの名は稀代の悪人として歴史書の中だけに閉じ込めておかないといけない。
そう襟を正される映画だった。

主人公は、周りの人々は、個人的な欲望のために些細な違和感の予兆の数々を見過ごしていった。
そして気づいた時には巨大な権力者となっていた怪物に立ち向かう術を無くした。
これが当時のドイツ市民のリアルなんだろうなーと実感できる作りでした。
個人的欲望と無関心が取り巻いている空気は現代日本も同じですよね。

ジャンル:ブラックコメディとして、『ヒトラー最後の12日間』の完璧なパロディ部分など笑えるシーンもあるが、核心部分は至って真面目な話だった。
ラストで肝が冷える、結構後味の悪い映画。
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