yoshi

メッセージのyoshiのネタバレレビュー・内容・結末

メッセージ(2016年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

この映画を見て「2001年宇宙の旅」を思い出しました。

宇宙船はモノリスに見え、劇中現れる時間軸をバラバラにした映像は、2001年宇宙の旅のラスト、ボウマン船長が老人から赤ん坊までの時間軸を飛び越える様を思い出しました。

前半は「宇宙人襲来」+「未知との遭遇」。
地球上の12箇所に謎の物体が突如出没。言語学者の女性・ルイーズは理論物理学者のイアンと共に、地球外生命体・ヘプタポッドの飛来の目的を探る。

科学者たちの言語による異星人とのアプローチは「未知との遭遇」の音楽によるアプローチを思い出させ、アメリカ軍や各国政府の慌てふためいた対応は、「コンタクト」や「インデペンデンスデイ」を思い出させました。宇宙人の形はもちろん「宇宙戦争」です。
様々なSF映画の名作に対して、監督は意識してオマージュを捧げてると思います。

後半は「2001年宇宙の旅」+「インターステラー」かな?
彼らは時間の概念がなく、3000年後の人類に助けられるためにメッセージの贈り物をしに来たのだった。
彼らの影響でルイーズは自分が将来、夭折する娘を出産することを知りつつも、イアンのプロポーズを受け入れた。

如何にしても時間軸を捻ったのか、科学的な説明の少ないSF設定は、私には難解でした。(「インターステラー」もそうでした。まだあの映画の五次元の納得できる解釈が、私の頭の中ではできていません。)

しかし謎があるからこそ、また観たいという知的好奇心をくすぐられます。
これから思い出すたびに、「あれは何だったのか」と、また見たくなる類の映画だと思います。

私が個人的に気にいっているシーンは、やはりラストでしょうか。

結婚する人、そして離婚が予め分かってしまっている未来。
また、愛する娘が早死にする未来を知りながらも、その未来を選択しないと各国の軍隊が、異星人への軍事攻撃を開始する。

それを阻止するため、異星人の言語の意味と知識を、価値のあるモノだと訴え、地球全体に公表する主人公。

異星人の知識は、人類に新たな価値観と可能性を秘めた技術は人類に利益をもたらす。
個人的な悲劇が待つと分かっている未来を、仕方なく受け入れる主人公の選択。

個人的な幸せを掴める未来より、人知れず、世界の存続と発展という未来を選んだ主人公の自己犠牲の精神が静かな余韻を残す。

私はラストシーンをこう解釈したのですがいかがでしょうか?

見る人によって様々な解釈が成り立つラストだと思います。

宇宙人の言語のビジュアル化など、多くの謎と解釈の幅を持たせた映像を生み出した脚本、そして監督の才能に敬服します。
ブレードランナーの続編の監督に抜擢されたのも納得です。

巷では絶賛の声が多いですが、1度見ただけでは設定の深さ、テーマまで私はよく理解できませんでした。

今回のスコアは作品の評価ではなく、頭の悪い私の作品理解度です…。
誤解されませんように。
yoshi

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