YYamada

ガタカのYYamadaのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
3.7
【スリラー映画のススメ】
◆作品名:
ガタカ (1997)
◆映倫区分 / 日本 G(制限なし)
◆スリラーの要素
 他人に成り代わった秘密に対し、
 忍び寄る殺人事件の捜査
◆本作のポジショニング
 サスペンス ■□□□□ ホラー

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・遺伝子操作で生まれた「適性者」が社会を支配する近未来。自然出産で誕生したビンセントは「不適正者」として冷遇される人生を歩んでいた。彼は幼い頃から宇宙飛行士を夢見ていたが、それは適性者のみに許される職業だった。
・ある日、ビンセントはDNAブローカーの仲介で、下半身不随となった元水泳選手ジェロームの適性者IDを買い取る。ジェロームに成り済まして宇宙局「ガタカ」に入社したビンセントは、努力の末についにタイタン探査船の宇宙飛行士に選ばれるが…。

〈見処〉
①残酷なまでに美しい未来。
 愛だけでは君に届かない——
・『ガタカ』(原題: Gattaca)は、1997年に製作されたSFサスペンス・スリラー。アンドリュー・ニコルの監督・脚本デビュー作。
・本作のタイトルとなる宇宙局「ガタカGattaca」はDNA基本塩基guanineグアニン、adenineアデニン、thymineチミン、cytosineシトシンから構成されている。
・本作は、体外受精で遺伝子に欠陥のない受精卵を選別して出産することが常識となった近未来の世界を舞台に、遺伝子に欠陥を抱えて生まれた子どもが差別の対象となり苦闘する姿を描いた作品。
・本作は、36百万ドルの製作費の1/3の興行収入と興業面は惨敗。しかしながら、アカデミー美術賞にノミネートされ、2011年にNASAの「現実的なSF映画」1位に選ばれるなど批評家から絶賛され、現代でもカルト人気を誇っている。
・主演は『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』から2年後、当時27歳のイーサン・ホーク、『リプリー』でアカデミー助演男優賞にノミネートされる2年前、当時25歳のジュード・ロウ、『パルプフィクション』の4年後、当時27歳のユマ・サーマン。
・イーサン・ホークとユマ・サーマンは本作共演をきっかけに2004年まで結婚関係にあり、『ストレンジャー・シングス3』に出演するマヤ・ホークを含む二子をもうけている。

②結び…本作の見処は?
◎:「泣けるSF作品」…。スリラー、サスペンス要素もありながら、作品の骨子は悪人が登場しない良質のヒューマン・ドラマ。いま見ても色褪せず、新鮮な風を感じえる作品。
◎: 現在でも最前線で活躍するイーサン・ホーク、ジュード・ロウ、ユマ・サーマンの容姿最盛期作品。
○: 近未来SF作品ながら、1950~60年代の建物のロケ利用、1960~70年代のビュイック、シトロエンなどをモデルとした乗用車の登場など、レトロ志向の作品コンセプトも見どころ。
▲: 淡々と進むストーリー展開は、過激な演出やドラマチックなエピソードを期待するものではない。
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