河豚川ポンズ

ゴジラvsコングの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)
4.2
みんな大好き大怪獣プロレスな映画。
シリーズを追うごとにどんどん頭悪くなってるのが最高。

ゴジラとキングギドラの戦いから5年、髑髏島の頂点であるキングコングは研究機関「モナーク」によって調査目的で髑髏島の環境を再現したドームに管理・収容されていた。
しかし成長を続けるコングにドームは小さくなり、ストレスがかかり続けるばかりだった。
そんなコングと唯一心を通わせられる髑髏島の先住民ジア(カイリー・ホットル)と、人類言語学者アイリーン・アンリューズ博士(レベッカ・ホール)は、コングをこのままこのドームに閉じ込めておくべきか悩んでいた。
そこにかつての同僚のネイサン・リンド博士(アレクサンダー・スカルスガルド)がやってくる。
彼はコングの帰巣本能を利用して、巨大怪獣たちの故郷である地球の地下空洞を調査したいと話す。
コングが故郷に帰り自由に暮らすことが出来るなら、とアイリーン博士はその計画に協力、地下空洞の入口がある南極へと向かうのだった。

ついに東西の両雄が激突!
前作の「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」はキリスト教を意識した表現が多かった拗らせたオタク映画だったの対して、もうこっちは純度120%の大怪獣同士のタイトルマッチ3連戦みたいな映画。
しかも武器あり、場外乱入者ありのロイヤルランブルみたいなバトルマッチ仕様。
これで喜ばない男の子はいないでしょう。
そしてこの映画の一番偉い、というか潔いところはしっかりとこの戦いに勝敗を付けたところ。
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」みたく、途中でさらなる巨悪が出てきてそれどころじゃねえ!ってなる展開でしょ?とか思ってたら全然違う。
でも、どっちにも花を持たせるような展開もあって、爽やかなラストだったと思う。
こんな綺麗に締めくくられたら続編作るの難しいんじゃない?大丈夫?
というかあらかた伏線回収してしまったから、今後続編出るのか不安なんですけど、きっとさらに頭悪い感じの映画になって続編出ると信じてる。

その一方でストーリーは相変わらずというか…
ネイサン、アイリーン、ジアあたりはまだ良いとして、結果的に正しかったとはいえ陰謀論に入れ込む前作主人公マディソンとか、大した見せ場もなく白目をむいて感電死した小栗旬とかなかなかに扱いが雑。
小栗旬の演じる芹沢蓮はポスプロ段階ではもう少ししっかりしたストーリーがあったそうだけど、結局カットせざるを得なかったそうな。
まあマディソン組とネイサン組の話が進行していく中、同時並行でもう一つストーリー進行させたら、さすがに2時間切るのは難しそう。
監督のアダム・ウィンガードはあまりに長い映画は好みではないそうだし、ディレクターズカット版みたいなものも無いと公言してるから、芹沢蓮が日の目を見るのは無さそうですね。
確かに娯楽映画として長すぎるのはNGというのはその通りなんだが、「ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット」や「ロード・オブ・ザ・リング」みたいな3~4時間越えで評価が高いものもあるし、ここら辺はもはや個人レベルの趣味嗜好かも。
そもそも続編があるのかすら分からないけど、今後ここら辺の人間ドラマも完成度の高いモンスターユニバース映画はいつか誕生するのだろうか…?