DVDを再生すると淀川さんの解説から始まる
淀川長治さんの世界クラシック名画100撰集(47)
淀川さんの解説は、たまにネタバレしちゃうから油断も隙もあったもんじゃない。
きっと、キーアイテムに違いないウィンダミア夫人の扇。ストーリーにどう絡んでくるのか、本当はもっと楽しみたかったのに。淀川さん、全部言っちゃうんだもんなぁ観る前に。でもまあ見所は教えてもらったのでそれを楽しみたいと思います。
ウィンダミア夫人の扇
オスカー・ワイルドの四大喜劇のひとつ。監督はエルンスト・ルビッチ。私的に初めてのルビッチさんです。
セリフをみなまで訳さない方式か。なるほど。
白黒なのに夫人の派手さが伝わってくる。なるほどなるほど。
紳士のベルの押し方講座とか。う~ん面白いね。
プレゼントの数だけキスをしても、愛は疑われてしまうのです。設定の妙。まさに喜劇。
先にネタをバラしたことを効果的に使う競馬場のシーンが楽しい。これはオスカー・ワイルドマジックですね。ほとんどセリフを訳してないのにも関わらず、フフフと笑みがこぼれてしまうのはルビッチさんの仕事ですね。
観ていてくとわかるその面白さ。セリフを極力訳さないことでより際立つ恋の駆け引き。あえて見せないっていうのが素晴らしい。こういうの大好きです。
後半になればなるほど面白いこのサイレント、なんだかすごく洗練されていますね。お洒落というかなんというか、一言で言うと「粋」。楽しい仕掛けがいっぱい仕込んであります。ルビッチさん、楽しませ方のツボを分かってらっしゃる。
社交界ってのは魔物の巣窟か?
好奇の目がそりゃあものすごい。
3人のお姉様方がヌッと出てくる所とか、もうそれだけで楽しい。
オホホホホ
サイレントだからもちろん聞こえてないしセリフも訳されてないのにそんな笑い声が聞こえてくる気がした。
そして、群がってる群がってる(笑)
楽しい。
特に、扇のクライマックスシーン
ダーリントン卿のあの顔っ!!!!
ここ最近で一番笑ったwww
あの表情が強烈に訴えかけてくるカオス!!
まさに傑作www
淀川さんのネタバレが無ければ、あと3倍は楽しめた気がするこの喜劇、観ている人を楽しくさせるルビッチさんの魔法がかけてあるから、それでも充分楽しめました。
ビリー・ワイルダーが師と仰ぐルビッチさん、その凄さを初めて知りました。ビリー・ワイルダー作品とともに、もっともっと観てみたい。そんな気にさせてくれる作品でした。
■自分用メモ 「ルビッチなら、どうする?」 巨匠ビリー・ワイルダー監督の座右の銘なんだそうな。 脚本や演出のアイデアに詰まると、師匠であるエルンスト・ルビッチならどうするだろうと思いをめぐらせたといいます。 『ウィンダミア夫人の扇』は、2002年にアメリカ議会図書館により「文化的・歴史的・美的に重要」であるとしてアメリカ国立フィルム登録簿での保存対象に選出されたんだそうな。美的に重要っていうこのフレーズ、なんだかわかる気がした。
夏帆さん 私もです(笑) いやあ、映画って奥が深いですね。だからこそ面白いんですけどね。 我々はきっと、映画という途方もないアーカイブの一端を覗いているだけにすぎないんでしょうね。一生かけても観きれないほどの映画の宇宙。一人一人では到底辿り着けないその深淵も、SNSやネットなど、人の「共有」という名の地図で皆の力を合わせれば、いつか辿り着けるんじゃないでしょうか。だって、向かっているわけだからね… 心揺さぶられる時間を求め、今日もまた地図持って出掛けるのが楽しいのです😄
淀川さんブレませんね。情熱が溢れちゃうんですね(^^) ルビッチ作品、ニノチカとか、生きるべきか死ぬべきかとか観たいんですよね。 ウィンダミア夫人の扇の話、確かスカーレットヨハンソンの「理想の女」という映画もそうでした。
iceblueさん 『理想の女』そうみたいですね。知りませんでした💦 ルビッチ作品のレビュー、楽しみにしてまーす😄