140字プロレス鶴見辰吾ジラ

マジカル・ガールの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

マジカル・ガール(2014年製作の映画)
4.2
業の祭り
悪趣味なコント
不器用な愛情が、噛み合わない当てはまらない…

予告編から期待度MAXレベルに引き上げられて、だいたい大したことないのかなと思いながら、これは予測不可能。
監督の才能が気持ち悪いから好きな部類の映画です。
よくこんなの作れたな…

白血病の娘の願いを叶えるため…そんなお涙頂戴な考えは捨てて頂戴。
業の巡り合わせGo Go Go!!

何か悪趣味ではあるが、笑えない噛み合わなさをウリにしたコントを見ているようです。
特に父親が2度ほどネットでコスプレ衣装の値段を見るシーンや娘に衣装のありかをこれまた不器用に伝えるシーン。

去年、フォックスキャッチャーを見ていたときを思い出させるどうしようもないセンスの方向音痴が父親をあんな目に遭わせるなんて…

娘の願いが無垢であればあるほど深みにハマり滑稽で、その中に入ってきてしまったバルバラと元教師と人間関係により引き出されたキャラクターも闇が深いのばかり。
闇深アベンジャーズやないかーい!

今作のファムファタールであるバルバラの色気、幸の薄さが良いテイストで、それでいて過去を明かさない最低限の粋な回想と、そして業に巻き込まれ辿り着いてしまうトカゲの部屋。

とにかく見せないからこそ掻き立てられる
勿体振るから心に残るボディブロー。

結末は納得するとかではなく、最初の父娘の会話からこんなに離れた場所までくるなんて…と

魔法少女怖いというタイトルのコント?落語?そんなものを見せられてしまった