河豚川ポンズ

ハドソン川の奇跡の河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)
4.3
奇跡を起こした男のもう一つの闘いな映画。
「インフェルノ」の公開も控えてこっちはどうなのかなと思って観てみたら、やっぱりトム・ハンクスはさすがの名俳優ですね。


「ハドソン川の奇跡」と称えられた事件から数日。
機長のチェスリー・サレンバーガー(トム・ハンクス)、通称サリー、と副機長のジェフリー・B・スカイルズ(アーロン・エッカート)は事故調査委員会の面談を受けていた。
ニュースで連日英雄扱いを受ける彼らであったが、委員会の考えは違っていた。
委員会の調査によれば、あの事件はハドソン川に墜落せずとも、無事に空港に戻り一人の怪我人すらも出さずに済んだはずだと主張するのだった。
突然の批判に戸惑うサリー、もちろん彼は今までの40年の操縦経験から最善だと思われる手段を採っただけに過ぎなかった。
しかしあの事故の208秒間に間違いはなかったのか、間違いだとすれば今までのことは何だったのか。
彼はそんな自問自答を繰り返す。果たして彼は本当に155人の人々を救った英雄だったのか。


監督クリント・イーストウッドと俳優トム・ハンクスという豪華コンビというだけでもうお腹一杯なのに、この映画を撮るためにわざわざエアバス一機を購入するという気合の入れようで、見る前からどうなっているのかと思いました。
徹底的にリアル主義を追い求めただけあって、着水を再現したシーンは本当に臨場感があります。
それによってそのあとの苦悩に苛まれるサリーも非常にリアリティが増してきます。

しかしこの映画の大きいところはこの奇跡がサリー一人のものではなく、この事故にかかわった人々が全力を尽くしたことによって得られたものだと伝えられます。
もう6年も前の事故ですが、ここから得られるものは非常に多いと思います。

そういえばなんですけど、自分の勉強不足かもしれませんが、どうして事故調査委員会はサリーの判断ミスにしたかったのか分からないんですよね。
どうかんがえてもそれで得するような人がいるようには思えないというか…
もし詳しい人がいたら説明をお願いしたいですね。笑