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ルパン三世 霧のエリューシヴのbackpackerのレビュー・感想・評価

3.0
ルパン三世TVSP第19作
ルパン三世生誕40周年記念作品

10年前の30周年記念作『ワルサーP38』は、厚みのあるダークなストーリーでした。
同じく記念作品の本作は、過去作オマージュは随所に配し、往年のファンに嬉しい仕上がり……だったのか?

温故知新の精神のもと、旧作からネタを仕入れた上で斬新な作品に昇華したならまだしも、オマージュという名のセルフパロディに"タイムトラベル物語"という激物を混ぜ込んだ結果、記念作と謳うだけで力尽きた【いつものTVSP】という印象しか受けません。

映画ポケモンを一気見した際に、劇中でタイムトラベルが行われた作品が一本ありましたが、その時と全く同じ感想を覚えます。
「おいそれとタイムトラベルネタにゴーサインを出すな」と。

勿論、どちらも熟考の上練り上げられた脚本だと信じていますが、タイムトラベルにて成立する世界観を構築するのは、SFジャンル内でも難易度高い(と私は認識しています)上に、違和感や設定の粗を(私みたいな人間に)ネチネチ叩かれてしまうので、やはり避けた方がいいと思料します……。


最終的なオチでは、若干のタイムパラドックス(というよりパラレルワールドへのジャンプ)が生じていますが、比較的綺麗にまとめられており、強い違和感を抱く程ではない仕上がりとなっています。
〈卵が先か鶏が先か〉論争に通ずるため、これはこれで本作のタイムトラベルに対する回答ということで、矛を収めた方が無難でしょう。


【どうでもいい気づき:着色ミス】
中盤、『白きたまゆら(偽)』を祠から奪うことで、魔毛をハメようとするシーン。
祠に手を伸ばす次元のジャケットの袖口が、赤になっています。
本来ならば黒ジャケットとすべきところ、ルパンの赤ジャケットと着色を間違えてしまったようですね。
些細な事ながら、残念なミスです。


【本作のゲストキャラ】
魔毛狂介……2854年生まれの科学者。身体は大人精神は子ども。ルパン33世に彼女をNTRれた腹いせに、先祖のルパン三世を消そうと現れる。ついでに無関係なトラックドライバー等も大量に消す。
一連の騒動で、未来世界に相当大規模な影響が起きている筈だが、『ドラえもん』のセワシ君的な理論として認識すれば、魔毛狂介が生きる未来においては、既に内包された事象として処理されている、ということか?
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