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イップ・マン 継承の小のレビュー・感想・評価

イップ・マン 継承(2015年製作の映画)
4.0
「イップ・マン」シリーズ、まったく観ていませんが『ローグ・ワン』のドニー・イェン目当てで鑑賞。ナカナカ良かった。

一番の期待はもろんカンフーの格闘シーン。いいです。ジャッキー・チェンの『蛇拳』とか『酔拳』のような特別感はないけれど、キッチリとした感じ。相手を殺さないところも、戦いを収める武士道みたいで好き。

1959年の香港が舞台。ストーリーは、①統治するイギリス人役人と通じ、ギャングまがいの暴挙によって町を牛耳る外国人フランク勢力との対決、②妻との愛の物語、③武術「詠春拳」の正統な継承者をめぐる対決、の3つの要素からなる。

個人的に好きなのは、①のフランク役のマイク・タイソンとの対決シーン。元ボクシング世界ヘビー級王者のタイソン。圧倒的な強さをリアルタイムでテレビ観戦していたから、その怖さといったら…。

子分をスパーリングで吹っ飛ばすシーンがあるけれど、脚色とわかっていてもスゲーとか思っちゃう。ワンパンチもらっただけで大けが間違いなしのリアリティに緊張感が否が応でも高まってくる。

③はまあそうだよねの結果が予想され、拳法のカタをじっくりと観る感じだから、タイソンとの対決が、この映画の個人的ハイライトシーン。

②はイップ・マンの人間性の良さを味わう感じなのかな。詳しくは知らなかったけれど、イップ・マンはブルースリーの師匠で、実在の人物。この物語は実話に基づきながらも、年齢はあきらに違い、この妻に起こったことも事実と違うのかな? ただ、この件は人柄が良さそうなドニー・イェンの雰囲気に合っていて違和感はない。

ちょっと気になったことは、悪者がイギリス人と外国人、言い換えれば欧米諸国みたいなところ。少し前に観た香港のインディーズ映画で、民主主義的な価値観を持つ“香港人”が、支配力を強めようする中国に反発している現実を知ったばかりなので、中国政府に対し“忖度”したのかな?と勘ぐってしまった。

でもまあ、そういうヤボなことは深く考えずに、アクションと人間ドラマを楽しんで、あー面白かったと思える映画かな。
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