ケイスケ

インサイダーズ 内部者たちのケイスケのレビュー・感想・評価

3.5
映画でこんなバカな接待シーン初めて見た(一応褒めてる)。「アルバトロスだ!」じゃねーよ!笑。コレが金持ちの道楽か。

大手自動車会社の会長は与党の大統領候補チャン・ピルにカネを流し政界への影響力を決定的にしようと企んでいた。黒幕としてその仲立ちをしていた大手新聞、祖国日報主幹のイ・ガンヒは、汚れ仕事を任せていたゴロツキのアン・サングに裏金ファイルの回収を命じるが…。

韓国ではR指定作品としては『アジョシ』などを抜き、歴代最高の観客動員数を記録したとか。アジョシはウォンビンのカッコよさが堪能できるし、ストーリーも分かりやすいためヒットしたのも頷けますが本作がその記録を塗り替えたのは凄いですね。そこまではっきりはバイオレンス描写を見せませんが、腕を切り落とす場面はちょっと目を背けてしまいました。

まさに「やられたらやり返す」を具現化した作品。しかしそこまで明快なカタルシスは無く最後の最後までイ・ビョンホンとチョ・スンウは逆転出来ずにいます。チョ・スンウ演じる検事が切ないんですよね。おそらく韓国は日本より遥かにコネや後ろ盾が無いと出世が出来ないんだろうな…と感じさせます。

またイ・ビョンホン演じるサングも裏切られるわノコギリで腕を切られるわ…でかなり悲惨。兄貴分や弟分に裏切られ、最後に信じることが出来るのは自分と全く立場が違うウ検事。この2人のバディ感がとても良いです。インスタントラーメンを鍋から直食いしたくなる笑。

裏切られたりコネが無い彼らは、自分の信念だけが最後に頼れるものになっていきます。復讐、不正を暴くなど立場は違えど自分の信じるもののために戦う2人にかなり熱い気持ちが湧きました。個人的にはもう少しバイオレンスが強めでもいいと感じますが良作だと思います。