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ローンウルフ 真夜中の死闘/レイト・フェイズのhorahukiのレビュー・感想・評価

3.7
息子に連れられ、老人居住区に1人住むことになった盲目で気難しい退役軍人の主人公。周りは気にくわない老人ばかりだけど、お隣のご婦人とは仲良くなれそう。そんな中、引越した初日の夜にお隣から悲鳴が。そして、主人公の家にも狼男が侵入。主人公を守ろうとした愛犬が死に、狼男は逃亡。次に狼男が現れる1ヶ月後の満月の夜に備え、愛犬の復讐を決意するという話。

いや〜熱い映画でした!
狼男vs復讐に燃える孤独な盲目退役軍人。
この設定だけでも激アツですね。

初ボグリアーノなんですけど、この監督の作品、日本版DVD発売してないやつが結構あるのが残念。しかも、filmarksでは2人いることになってるし(笑)

ただ1人の目撃者である主人公が、狼男の存在を訴えても誰も信じてくれない。警察も、死人が出てるのに動物のせいだと言って事件にもしようとしない。なぜなら訴えてるのは目の見えない老人だけだから。その偏屈な性格とあわさって、単身狼男に戦いを挑むという展開を熱くするのに盲目設定が一役買ってます。

そして、主人公がとにかく寡黙。感情を全然言葉にしないんですよね。でも、愛犬が死ぬ時の悲哀や復讐のための強い決意を露わにする表情や行動。その静かだけど熱い闘志が窺える演技・演出が素晴らしい。

冒頭の墓石選びから始まり、常に感じるのは死の存在。主人公は死に場所を探してるんだろうと思います。それはベトナム戦時時に感じた違和感に根ざしている。命を救いに行ったはずなのに待っていたのは全く違う現実。そして今でもずっと感じ続ける罪意識。でも、ここら辺がちょっと粗かったのが残念。自己犠牲とかもあったし。

『狼男アメリカン』とまではいかないけれど、変身シーンも気合入ってますね。変身後の着ぐるみ感はすごいですけど(笑)戦闘シーンは短めですが、武器を買い揃え軍服を着て熱い闘志を胸に決戦に挑む主人公がめっちゃかっこいいです。盲目だからこその緊迫感もあって見ごたえありました♫
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