ひとりごとです

映画 聲の形のひとりごとですのネタバレレビュー・内容・結末

映画 聲の形(2016年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

不器用で
どうしようもない

感情の捌き方なんか
生き方なんか

存在の仕方なんか

100%の正解を誰も教えてくれない

どうしようもなく
目に映って耳に入る情報は
「おれ」の「わたし」の行動を
思考を支配する

後悔したって
変わりたいと願ったって
うまくいかなくて
戻れなくなって

助けての信号は
そこらじゅうから溢れ出ているのに

簡単には
気付いてあげることも
救ってあげることも
救ってもらうことも
できない

だってこっちも赤い
危険信号だから
生きるのに必死で
うまくそこに居続けることに必死で

怖いよ 
お前たちが、君達が、あなた達が
「おれ」を「わたし」を作ったのに
どうしてどうしてこちら側だけを過ちのような目で見定めるの

正しくありたい

強くなりたい

間に合え
間に合え
間に合うのか

踏み出さないと

だけど頑張らないようにしないと

頑張ったら、変われる、なんてない

だからそんなに頑張らなくていい

ただ、でも、目の前の、その、真実を
受け止めるには、どうしたら

怖くて、たまらない
下を向いて目を瞑った方がマシだ
聞かない方がマシだ

でも眩しいよ
立ち向かう君は、どうしたって眩しい

ジェットコースターの手すりを
手放して
空へと自由に伸ばしてみる

わー

こえのかたち

こえのかたち、聲の形

声、音

あなたの行動が、どうであれ
あなたが声を形にするとき

それをかたどるものは
かたどられるものは
なんでしょう、か

あなたを、知りたいです
君を、理解したいです

隠さずに 気取らずに 飾らずに

気付くのが遅い、なんてことはない
もう、光なんてないとしても
考えて、考えて、

だって
あなたの間違えを認めてあげられなければ
君の間違えなんて認めてあげられない

誰だって間違うんだから

大丈夫

怖くても手を離して、みる
そうしたら今度は、目を開いて
目の前の広大な景色を瞳に映してみる

風が目に染みるかな?
もっと怖くなるかな?
どうなっちゃうかな。

あんたと私は似てるよ

分かってたって難しいんだから
一歩ずつ
だけどいつだって目は開けていないと

自分も誰かも失わないように

目に映るそれがどうしたって正しいと
言えるものではないとしても
耳に入るそれがどうしたって苦しくて刃のように鋭くても

誰かを、許すことで
自分を、許すことで

確実に一歩、前に進む

人間という生き物は、
醜くて、汚くて、それでいてとてもとてもとても不器用で愛おしいんだ