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映画 聲の形のbackpackerのレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
4.0
流石日本のアニメ映画はクオリティーが高い!
欲を言えば、『君の名は。』と公開時期がもう少しずれていれば良かった!宣伝面でも、その方が興行あげられた気がします。

人気者から一転、除け者へと堕ちた石田将也が、小学6年生の頃いじめていた耳が不自由な少女西宮硝子を訪ねる。
自身の存在が罪であるという考えから、死を望んだ将也。
硝子と再開することで動き出した世界は、劇中でも指摘された通り偽善の色を感じさせる贖罪としてうつります。
彼の慟哭と、彼女の涙。美しいアニメーションで対象の内側へ内側へと迫るのが、惹き付けられます。

ストーリーは原作の主軸となるところを簡潔に纏めあげており、無理なく一本に仕上げられています。
映画製作の件とかは、この尺では納められるものではありませんしね。

子どもには子どもの複雑な社会が構築されていて、常に残酷な側面と隣り合っているというのが、苦さを感じさせます。
そのコミュニティに関わる大人(ここでは先生)がどんな存在であるかというのも、変えられない要素故に非情です。

障害を持つ人、いじめの問題、精神にダメージを負った人、友人、そして家族。
多くの要素が、色鮮やかな映像世界にずっしりと重さを与え、昇華された作品になってるんだなぁと思います。

今年は豊作で楽しい夏でした。
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