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鬼談百景のminorufukuのレビュー・感想・評価

鬼談百景(2015年製作の映画)
3.1
いわゆる現代版百物語のオムニバスホラー。
小野不由美原作で同年公開の「残穢」の前日譚に当たり、百物語の百話目が残穢という設定。
残穢主演の竹内結子が本作のナレーションを務め、彼女が演じる怪奇作家のもとに届いた読者からの投稿という体で話は進む。

前10話を6人の監督で撮っているのだが、これが新旧Jホラーのコアな作り手たちを集めており思わずDVD借りてしまった。
呪怨を撮っているのが2人いて、他にも本当にあった呪いのビデオや新耳袋などに関わっている監督が揃っている。培われたバリエーション豊かなホラー表現をこれでもかと思うくらい駆使しており、観ていてにんまりする。残穢本編の中村義洋監督は1話を担当。

ただ、原作が短編集でほんのり怖い程度の作風なのでストーリー的にはそこまで満足できなかった。特にDVDの収録順で似かよった表現の話を続けてしまっているのはマイナスポイント。

そんな中、大ファンである白石晃士監督や内藤瑛亮監督の担当話は彼らの作風が色濃く出ていて興味深かった。特に内藤監督は初期作の頃に見せていた禁忌に触れるような不気味な雰囲気が怖くて、それを子役中心(うち、1話は子役のみで撮影)で作っているのは凄まじかった。民放ゴールデンではおそらく放送できない。
全体を通して見ると大畑創監督の「赤い女」一般的には受けそう。
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