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シング・ストリート 未来へのうたのbluestarのレビュー・感想・評価

3.8
アイルランドのダブリンを舞台に、家庭に問題を抱えながら転校先の学校でも良いことが無くスタートした少年が、葛藤しながらバンドを通して成長していく80年代音楽に溢れた青春ストーリー。

80年代当時の英国ロックが、これでもかと流れ出すのが、いつの映画よ😂とタイムスリップします。

一目惚れの相手はボヘミアンラプソディー でメアリーを演じていたルーシー・ボーイントン。
失業中の主人公のお父さん役は、同じくジョン・リード役だったエイダン・ギレン。
どちらもアイルランド出身の俳優さんなのでしたね。

2016年制作らしいけれど、化粧も服装も80年代らしさを忠実に再現していて、ダサかったです😂
特にケミカルウォッシュのジーンズ、ヘアバンド、肩が大きくてウエストを絞る逆三角形なシルエット…。
今見ると、とても格好悪いです😂

a-ha、デュランデュラン、キュアー、ザ・ジャム、ホール&オーツ、ジョー・ジャクソン…。当時聴いていた曲のオンパレードで80年代洋楽にたっぷりハマった人には幸福感が増します😊
ジェネシスがかかったなと思ったら、フィル・コリンズを聴く男はモテないと、お兄ちゃんに言われていたのが笑いました🤣

個人的にはデュランデュランやキュアーのようなビジュアル系は割と苦手で…、
主人公が、校長に反抗するにもパンク全盛の時代は過ぎた後で、始めたバンドでニューロマンテックス系?ビジュアルなのが一歩引いて観てましたが、お顔立ちのキレイな俳優君なので、なかなかお似合いではありました。他の子は14.15だと成長の個人差が大きいにしても、とっても幼い子が複数いてあどけない😂
どちらかといえば、自分はギターとピアノを弾く、ちょっとエルビス・コステロ的なお顔立ち?の友だちの方が好み(←誰も聞いてないですね😂)で良い味出てました。

始めたばかりのど素人バンドなのに、オリジナル曲は完成度の高いポップスなので、ちょいと出来過ぎなところもありますが、若者が自分に自信を付けていく経緯は説得力もあり、爽やかで楽しめました!

主人公のコナーの兄弟は、全然タイプが違うし、親夫婦も全く似つかわしくないし、ガタガタな家族の様子が、ある意味そのミスキャストが不調和家族を強調していたようでした。
ちょっと壊れてる音楽好きのジャック・レイナー演じるお兄ちゃんも良い味を出してました。

エイダン・ギレンは、ゼスチャーがジョン・リード役をやった時は役作りかとおもっていたけど、仕草がこちらの役でも同じだったので、癖なんだなぁと発見でした。

“はじまりのうた”のジョン・カーニーの半自伝的映画らしいです。
兄弟の影響って大きいですね。
「あの頃ペニー・レインと」のお姉ちゃん同様、コナーの兄が音楽に導いてくれてました。

自身の暮らしへの苛立ちを抱えながらも、弟の成長を応援するお兄ちゃん、俳優さんが良かったです。

最後のシーンって実体験ならすごいなぁ。
ここは創作部分かな?
主人公は映画バックトゥーザフューチャーで観たようなアメリカのハイスクールのプロムに憧れをもちながら、まずはイギリスへ一歩踏み出すというのがアイルランドの人の、ちょっと都会に出てくるわ、という感じなのかな。でもイギリスだって当時はアイルランドと変わらず不況だったはずだけど…。

徒然書きましたが、音楽好きの今アラフィフの人には時代がピッタリで懐かしさに浸れるでしょう。
それ以外の世代にも、普遍的な青春映画なので、当時のデュランデュランのジョン・テイラーはじめ、ビジュアル系アーティストのMTVも新鮮に楽しめるのではないかな。
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