140字プロレス鶴見辰吾ジラ

アナイアレイション -全滅領域-の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

4.0
【持続的恐怖】

決して派手な映画ではないが、確実に着実に恐怖の持続が展開されている。アレックス・ガーランドはまたもや人類の危機を描いた。「エクスマキナ」での人工知能が種としての道を見つける発火点を見いだしたように、本作も未知の生命体の発火点を陰鬱な音楽と珍妙かつ不気味な変化していった生物のビジュアルで楽しませてくれる。言葉少なくビジュアルと劇中の回想シーンの会話から本作の本筋を推理させるネオ推理小説としての楽しみもあり、誰もが根底に抱えたクトゥルフ神話的な恐怖感が這いずり回る映画の全体像が好きだ。いずれ人類が迎えるであろう進化ないし人類というコンテンツの生産終了のオカルト的ワクワク感と存在が吐き捨てられる恐怖感が良い塩梅である。

町山さんの解説で知って驚いたが、ソノヤ・ミズノさんの使いどころである。びっくりアナログイズム。