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SING/シングのmazdaのレビュー・感想・評価

SING/シング(2016年製作の映画)
4.0
正直この映画、音楽というものが大好きな人間なら誰でも楽しいって思っちゃうでしょ。ユニバーサルはやっぱりこういう映画を作るのが本当に上手。物語でというよりも、ノリと勢いだけで人を引き寄せる。それをわかっていてもまんまとこのペースにのせられて、例え趣味じゃないジャンルの曲だとしても音楽というでっかい1つの落とし穴にはまって老若男女問わずみんな最後までsingの世界観から抜け出せなくなってる。なんてずるい映画。最高!

借金で今にも潰れそうな音楽ホールを経営するコアラがもう一度劇場を賑わせるために、街中の動物たちを集めて歌のオーディションをする。ペットとかミニオンとか、どれも好きだけど予告以上の面白さを超えないイメージの強いイルミネーション作品に、楽しみではあったもののさほど高い期待はなかったこともあってか予告編を超える楽しさが味わえて見終わったあとの充足感がすごい。
劇場オーナーのコアラのムーンさんは問題山積みのチャレンジでもとにかく超ポジティブシンキングの持ち主で、「どん底に落ちるのも悪くはないさ、行き先は上に上がるだけ!」と良くも悪くも本当に成功しか見えてないような、辞書に不可能が載ってないタイプのやつ。人を巻き込む力が強く、楽しいことが大好きで明るい彼の性格はまるで音楽そのもののよう。作中彼が挫折するシーンも実はあるのだが、結局は音楽の力で彼の落ちたきもちを変える。もちろんポジティブなものだけが音楽ではないし、音楽を聴きたくないようなきもちになることだってあるけど、音楽が自分に切り替えるきっかけをあたえてくれたり、寄り添ってくれるのって誰もがきっと経験したことがあるはず。楽しい時も辛い時も言葉より音楽のほうが心に響きやすくそれは世界共通。そういうのを人ではなく、昆虫や爬虫類も含めたいろんな動物達で描くのがとても良かった。

どのキャラクターも選べないくらいみんな好きだったけど、ブタ主婦のロジータが一番好きだったな。歌手としての才能もあるけど、発明家としての才能をもっと生かしたほうがいいと思った。笑 ロジータとグンターのブーコンビが歌うテイラーのshake it offで始まるLIVEのスタートも最高だし、みんながオーディションやるって知って目をキラキラさせて最高な笑顔を見せる序盤も好きだし、個性豊かないろんな曲を聞けるオーディションも好き。音楽映画だから当たり前だけど文句なしにとにかく音楽シーンの楽しさが異常。
洋画は絶対字幕派だけど子供の頃から吹き替えアニメーションムービーを観て育った自分にはアニメは吹き替えという強いこだわりがあったけど、いろんなレビュアーさん達のレビューを読んでると両方観る価値がありそうで次は字幕でトライしたい。

緊張するぞうのミーナに、舞台袖からムーンさんが"歌って(sing)"と声をかけるところがすごくドキドキして好きだった。シンプルだけど力強く伝わりやすいとても良いタイトルセンス。
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