馮美梅

ゴッホ~最期の手紙~の馮美梅のレビュー・感想・評価

ゴッホ~最期の手紙~(2017年製作の映画)
4.0
ゴッホが死んで1年後から物語は始まる。生前、親しい間柄だった郵便配達人のジョゼフは息子のアルマンにフィンセントが出せなかった弟テオ宛の手紙を彼を探して渡して欲しいと。

なんで自分?少なからずもフィンセントの生前、彼と父親が懇意にしていたために、周囲から奇異な目で見られていた自分ら家族。気がすすまないが、仕方なく引き受けることに。

しかし、フィンセントが死んですぐ、テオも死んだと聞かされ、手紙を渡せなくなったテ アルマン。しかしあることを聞いて、彼の死の真相を知りたくて、そして手紙を渡すべき人を探すためにある人の元へ向かう。

アルマンが登場するシーンはフィンセントが描く独特の色彩にあふれた映像に反して、フィンセントの生前のシーンは終始モノクロームの写実的な描写でメリハリが分かれていて惹きつけられました。

実際、彼が拳銃で腹部を撃たれたことが原因で亡くなったことは事実。ガシェ医師から聞いたテオの余命に、フィンセントらしい愛の表現があの最期だったのかもしれない。そしてその愛を感じた時、きっと最後、この作品を見た人たちの胸に色鮮やかに彩られたゴッホの絵の数々に暗さや哀しさではない何かを感じたのではないかと思います。
馮美梅

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