小

サンマとカタール 女川つながる人々の小のレビュー・感想・評価

2.0
残念、とても残念。素材はとてもいい話なのに、何故か漂うプロパガンダ臭。映画というよりテレビのニュースショーの特番みたいに感じた。

序盤は心が震えた。目の前で母親が流され亡くなった男性の話に涙した。青年達は自分達のことを「生かされた者」と言い、だからこそ、これからをつくるのだという、その熱量の大きさに胸を打たれた。

しかし、中盤以降は失速、涙は乾いてしまった。復興について経済的な側面に光を当てすぎていたように感じた。タイトルにあるカタールとの関係も、経済復興のエピソードのひとつ程度の描き方。女川原子力発電所の件は消化不良でモヤモヤ感が残った。

定点カメラで2年間撮り続けただけあって、町が変わっていく様子については良くわかった。でもこの内容であれば、ビッグネームの揃った協賛企業がスポンサーとなってテレビ番組にした方が良かったのではないか。

私がわざわざ映画館に足を運んで観たいのは新しい建築物ではない。震災を乗り越えようとし、復興に向かって進む人間の魂なのだ。

とか思って公式HPを見たら、初日に眞子内親王殿下が御鑑賞されたのですね。文部科学省選定も大企業協賛も納得。これも映画の一側面。こういう経験をして鑑賞眼が養われて欲しいと、自分に期待。
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