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レゴバットマン ザ・ムービーのbackpackerのレビュー・感想・評価

4.5
黒。いい映画は黒から始まる。
そして、この映画も紛れもなく最高でしたよ!
1レゴマニアとして垂涎のレゴワールドを堪能させたいただきました。
と同時に、1映画好きとしても、とてと楽しませていただきました。
ここまでメタに走って大丈夫なんだろうか……笑

今作は子ども向けのレゴ映画と侮ることなかれ、『バットマン』の系譜に連なる、紛れもなき『バットマン』映画なのです。
事実、作中のバットマンはこれまでの全てのバットマン史並びにDCコミック史を踏まえた上でのキャラクターとして動いています。

そんなバットマン、最大の敵(本人談)のジョーカーから、お前の最大の敵はこの俺だろ!?との問いに対して、なんとも薄情な回答をします。
「ベイン」「スーパーマン」「お前になんて興味ない、最大の敵はスーパーマンだ」

こんなこと言われちゃ、女房役のジョーカーには辛い。裏切られた気分になって、目はウルウルしちゃう。憎さ余って愛しさ100倍!

本作は、そんなジョーカーとバットマンの犬も食わない痴話喧嘩と、バットマンの心の中に居座る恐怖と戦う物語です。
バットマンの本質的恐怖は、自分の中にあり、それが、彼を孤独な戦いへと駆り立てる。
これは、長いバットマン史でも問われてきたテーマです。
それを、もし『ダークナイト』みたいな実写世界で究明したら、お子様に見せられるか配給会社と親御さんが心配しちゃいます笑
このレゴワールドでやるに適したテーマでした。
しかし、重要テーマにグイグイ踏み込んでいきますね。驚いちゃいましたよ。

出演キャラクターの厚みも凄い。
バットマンの名だたるヴィランは総出演し、ジャスティスリーグも一斉登場。
それだけではありません。
他作品からも、バンバン出てくるのです。
今話題の『キングコング』からキングコング。
『ロード・オブ・ザ・リング』からはサウロンの眼。
『グレムリン』からはグレムリン。
『ハリー・ポッター』からはヴォルデモート。
他にも、骸骨兵士やTレックスやドラキュラや半魚人や魔女やマトリックスのエージェント等々、選り取りみどりであります!
因みに、知ってたらマニアとジョーカーが言っていたロボットは、BBCの長寿SFドラマ『Doctor.Who』のダーレクです。あれはあくまでも外部を覆うマシーンで、中には醜悪に変形した生物が入っています。語彙力低めで抹殺せよばかり言いますが、最凶最悪の敵です。映画では鎧袖一触にされてました笑

これらキャラクターは、レゴで商品化している(またはレゴでできている)キャラクター。本来共演することはまずあり得ない組み合わせでも、レゴなら作り出せる世界観というわけです。素晴らしい!

最後まで楽しませてくれたバットマンたち、ありがとう!
しんみりしたり、考えさせられたり、コメディやメタ発言したり、とても笑えました!
EDも面白かったよ!ありがとう!

白。
いい映画は白で終わる。
そして伏線の回収。
本作もご多分に漏れず。
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