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インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのYYamadaのレビュー・感想・評価

4.0
【考古学者/インディアナ・ジョーンズ】

◆本作の舞台 〈1969年〉
 ニューヨーク→モロッコ→シチリア
◆マグガフィン
 アンティキティラのダイヤル

◆公開時の年齢
❶レイダース/失われたアーク《聖櫃》
映画公開: 1981年 時代背景: 1936年
ハリソン: 39歳 インディ: 37歳

❷インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
映画公開: 1984年 時代背景: 1935年
ハリソン: 42歳 インディ: 36歳

❸インディ・ジョーンズ/最後の聖戦
映画公開: 1989年 時代背景: 1912/1938年
ハリソン: 47歳 インディ:40歳

❹インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008)
映画公開: 2008年 時代背景: 1958年
ハリソン: 66歳 インディ:58歳

❺インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
映画公開: 2023年 時代背景: 1944/1969年
ハリソン: 80歳 インディ: 70歳

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・考古学者で冒険家のインディ・ジョーンズの前にヘレナという女性が現れ、インディが若き日に発見した伝説の秘宝「運命のダイヤル」の話を持ち掛ける。
・それは人類の歴史を変える力を持つとされる究極の秘宝であり、その「運命のダイヤル」を巡ってインディは、因縁の宿敵である元ナチスの科学者フォラーを相手に、全世界を股にかけた争奪戦を繰り広げることとなる…。

〈見処〉
①運命を変える、最後の冒険へ——
・『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は、2023年に公開されたアクションアドベンチャー映画。
・ハリソン・フォード演じる考古学者インディ・ジョーンズの冒険を描くアドベンチャー映画の金字塔「インディ・ジョーンズ」シリーズの第5作。前作『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』から15年ぶりの続編であり、ルーカスフィルムがウォルト・ディズニー・カンパニーに買収されて以来、初となるシリーズ作品となる。
・これまでのシリーズに製作総指揮を務めていたジョージ・ルーカスは降板。同じく監督を務めていたスティーヴン・スピルバーグは監督を降板してプロデューサーを務め、『LOGAN ローガン』『フォードvsフェラーリ』のジェームズ・マンゴールド監督にメガホンが託されている。
・出演は宿敵フォラー役を『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』など国際的に活躍する「デンマークの至宝」マッツ・ミケルセン。インディとともに冒険を繰り広げるヘレナ役をフィービー・ウォーラー=ブリッジが務める。そのほか、「レイダース 失われたアーク《聖櫃》」「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」にも登場したサラー役のジョン・リス=デイビスがカムバック。
・音楽はシリーズおなじみのテーマ曲を手がけた、巨匠ジョン・ウィリアムズ。

②: マグガフィン
・アクション映画のプロット・デバイス、「マクガフィン」 とは、小説や映画などのフィクション作品における登場人物への動機付けや話を進めるために用いられる作劇上の概念にして、キーアイテムを指す。
・映画演出による「マクガフィン」を世に広げたのはサスペンスの巨匠、アルフレッド・ヒッチコック。1966年に行われたヒッチコックの長時間インタビューを収録した『映画術 ヒッチコック/トリュフォー』には、マクガフィンへの言及が何度している。「私たちがスタジオでマクガフィンと呼ぶものがある。それはどんな物語にも現れる機械的な要素だ。それは泥棒ものではたいていネックレスで、スパイものではたいてい書類だ。物語にリアリティを与えようとシナリオライターやプロデューサーはそうした小道具についても掘り下げようとするのだが、マクガフィンに過ぎないものに観客が気を取られすぎるとそれに続くサスペンスに集中ができない。だから、マクガフィンについては軽く触れるだけで良い」がヒッチコックが語る作劇術であった。
・さらに「マクガフィン」を推し進めたのは「スター・ウォーズ」産みの親のジョージ・ルーカス。「まるでヒーローと悪役の決闘シーンのように観客を虜にするものでなければならない」と語るルーカスが関わったインディ・シリーズのマグガフィンは、以下のとおり。
❶レイダース/失われたアーク《聖櫃》
モーセの十戒の破片を納めた「聖櫃」
❷インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
シバ神が高僧サンカラに力を貸すために用意した、5つの聖なる石「サンカラストーン(シバリンガ)」
❸インディ・ジョーンズ/最後の聖戦
キリストの血を受けたといわれる不老不死伝説の源「聖杯」
❹インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
宇宙の神秘を解き明かす力を秘めているという「クリスタル・スカル」
❺インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
アンティキティラ島近海の沈没船から発見された古代ギリシア時代の遺物で天体運行を計算するため作られた歯車式機械「アンティキティラ島のダイヤル」

上記のなかで、実在が確認される「オーパーツ」は❹❺である。

③結び…本作の見処は?
◎: インディ・ジョーンズの人生を振り返る展開は、まさにシリーズ40年の集大成。「シリーズ闇歴史」である『魔宮の伝説』と『クリスタル・スカルの王国』のエピソードについても、言及されている点も嬉しい。
◎: 本作のマグガフィン「アンティキティラのダイヤル」は、知名度はないながらもインディの人生を語るに相応しい最高の設定。想像の斜め上を超える現象に誘ってくれる。
◯:「スピルバーグではない」インディであるが、ジェームズ・マンゴールド監督の手腕「スピルバーグでは表現し難い」重厚な作品でもある。作品のテンポはスピルバーグの手腕が勝るが、自分は肯定します。
▲:納得の出来映えながら、マニア観点では「パラマウント映画のオーブニングなし」「ユーモア薄め」は、シリーズ踏襲がされず残念。
▲: また、シリーズ作品全作を手掛けるジョン・ウィリアムズによる音楽のなかで、本作げ唯一、印象的なメロディーを奏でられていない点はさみしい。
◯:ずいぶん久々に鑑賞出来た「字幕:戸田奈津子」作品!

本作のレビュースコアは、インディと過ごした期間に比例する気がします。
幼少期のときから、ずっとリアルタイム・ヒーローだった、ハリソン・フォードどインディアナ・ジョーンズ。今までありがとうございました!!
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