三郎丸

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグの三郎丸のレビュー・感想・評価

3.3
【低予算映画特有のチープさが気にならなけりゃ良作!】

ワタシは好き。
ただし、賛否両論あると思います。

本作品は、永井豪原作の昔のアニメにインスパイアされ作られました。
ヨーロッパは以前から日本のアニメを
リスペクトしてますからね。
キャプテン翼なんか今のサッカー選手も影響与えてますから、凄いことです。

作品のお話としては、
主人公エンツォの部屋が汚くて妙に殺風景なのが非常に良い。
エロDVD(作中追加購入アリ、全くもって健全な中年)が散乱していて冷蔵庫の中は主人公の好物ヨーグルト様のカップが数個入ってるだけ。

ある事をきっかけに、不死身の肉体(驚異の肉体回復をするのですが、切断はナゼかくっつかないからちょっと怒る)、そして怪力、主人公は単純なイタリア男なので、短絡的思考で悪さして大金を手にするけど、何が起きようとも
【よし、取り敢えずオ○ニー!】
と生活の中心に自慰行為を据えるなんとも生臭い中年男!
「これはすごい設定の大衆受けしなさそうな映画だなオイ!」
というのが観賞中のワタシの正直な感想です…

友達なし、未来なし、陰気、性欲マックスオ○ニーガイ(なんとも寂しい40代)は、誰かのために行動を起こすヒーローになれるのだろうか…?(ムスコは起こしてますが…涙)

ヒロインのアレッシアは頭のネジが少し緩めな娘さんですが、クセがあり見終えた時にはなかなか好きになってるという、なんとも不思議な魅力のある女優さんでした。
主人公エンツォも同じです。伊達男感なし!でも、それが良い!

敵役のジンガロもなかなかでした。
イタリアの激安チンピラ然とした感じは嫌いじゃなかった。
モロ破滅型人間で、あまりに後先なく言動、行動がいちいち馬鹿すぎて怖いという…現金輸送車を取り扱いしづらそうなアサルトライフルで襲おうとしてたりと、いちいち、
「マジかコイツ!?」
なヤツです。
ある意味悪役キャラとしてはこのくらい突き抜けてないと!

ワタシのオススメシーンは、クライマックスでジンガロと戦うためサッカー場へ向かうエンツォに少年が名前を尋ね、エンツォが「シバヒロシ」と答えてバイクを発進させ、アレッシアが着ていたドレスと同じ色の風船がローマの空へ舞い上がる。鼻がツーンとします。

ワタシの評価がいまいち低いのは、ラストも風船飛ばしで終えて良かったな…
エンツォが生きているのか死んでしまったか?それを鑑賞者に委ねて良いとワタシは思います。

アメリカのヒーローとは違う、妙に人間味あるヒーローが良い!!
三郎丸

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