“The Suffragettes were all about speaking up. You can't speak up for your rights and be silent. ...you can't make a difference unless you speak up.” 超コンサバティブで人権意識のないアメリカ史の教員と、「沈黙」で闘おうとしていたメリンダに同級生の男の子がかけた言葉。確かに彼の言っていることは正しいけど、声をあげないと自分の権利を主張できないっていうのは酷でもある。そもそもサフラジェットは"Deeds not words"をスローガンにしていたし、「言葉」で闘っていたのかという点については疑問が残る(多少暴力的でも行動を起こすしか闘う手段がなかったから)。
何が彼女にトラウマを語らせることを可能にしたのか。それは絵を描くという、「現実」と距離のある「物語」をつくる行為だった。「物語」は「現実」を相対化させうるというと、現実逃避にしか聞こえないかもしれないが、現実逃避も生きていくうえで、きっと欠かせない行為だ。それと同時に、学校の中の物置き(?)や家のクローゼットにひとりで閉じこもることもまた必要だったように思われる。そうやって「現実」と距離を置いたり、反対に「現実」を生きたりすることが、回復には不可欠だった。 時間をかけてたどり着いた結論が、以下のセリフなのではないか。 "It happened. There's no avoiding it, nor forgetting. " 起きてしまった以上、避けることも忘れることもできない。それに気付いたメリンダは「話す」という選択をしたのであろう。