茜

ボディ・バッグスの茜のレビュー・感想・評価

ボディ・バッグス(1993年製作の映画)
3.6
ジョン・カーペンター&トビー・フーパーのオムニバスホラーと聞けば面白くないはずがないだろうと。
テレビ映画なのでホラー表現は控えめかと思いきや、意外とえげつない事やっててニヤけました。
でも1話目と2話目がコメディ色強めなのはテレビ用のマイルド演出なのかもしれん。

①「The Gas Station」②「Hair」③「Eye」という三作で構成されており、前二話がカーペンター、三話目がトビー・フーパー監督作。
先ず驚かされるのが出演者の豪華さで、初っ端いきなりカーペンター自らがイカれ検死官に扮して語り部役を演じてるもんだから笑う。
①ではガソスタのお客としてウェス・クレイヴンが登場し、サム・ライミは死体となってロッカーからこんにちわ。
②ではミニスカおばさんナース役のデボラ・ハリーに哀愁。
③では主人公を演じるマーク・ハミルが素晴らしい怪演を披露する一方、彼に眼球手術を施す医者がロジャー・コーマンで「こりゃアカン!!!」とニヤニヤしたり。
内容云々を抜きにしても、ホラーファンなら次々登場する豪華キャストだけできっと楽しくなれるはず。

私はお馬鹿ホラーが好きなので①と②がお気に入りだけど、一番真面目にホラーしてたのは③だったなぁ。
マーク・ハミルってどうしてもルーク・スカイウォーカーのイメージが付いて回るけど、こんなにホラー向きの演技が上手いんだなぁって素人目線ながら感心してしまった。
①では肝心なところで滑ってコケる殺人鬼に噴いたし、②では極端にハゲを気にして思い悩む主人公とあまりにもブッ飛んだ展開&オチに笑う。

適度なホラー要素と視覚的刺激に、思わずクスッとしてしまうコメディ要素。
テレビ向けの敷居が低いカジュアルさを持ちつつ、ホラーファンも満足できちゃう出来栄えは流石ホラー界の巨匠といった感じ。
茜