あまのかぐや

ガール・オン・ザ・トレインのあまのかぐやのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

夫トムと離婚後、カウンセラーのもとで生活するレイチェルは、毎日、通勤電車の窓からある家、そこに住む夫婦を眺めて過ごしていた。ある日、妻の不倫現場を目撃した後、前後不覚に意識を失ってしまう。目が覚めるとそこは自分の部屋で、何故か大怪我を負っていた。そこへ警察が訪れ、あの不倫してた妻が行方不明と知らされる…。

予告を見るとそんな感じだったと思います。
わたしもあまりお酒に強い方ではないので、けっこうやらかしましたし、朝起きて、あれ!こんなところになんでアザ?!ってよくありますよね、ありませんか?

実はレイチェルが眺めていたのは、元夫と現妻が住む家(元は自分が住んでいた)と、その隣家の仲睦まじい夫婦でした。元夫がジャスティン・セローで現妻がレベッカ・ファーガソン、隣家の夫婦がヘイリー・ベネットとルーク・エヴァンス。

2組の理想の夫婦を遠く車窓から一瞬のうちに流し見、鬱々した感情を募らせていくレイチェル。エミリー・ブラント演じるこの主人公が抱えるどす黒い感情+アル中で、飲むと記憶を失してしまう、という設定がめちゃくちゃ危うい感じで良い。それにブラントの鬼気迫る隈隈な表情も。
そんな不安定な女が電車の車窓から見た「ある事件」を組み合わせたら、ヒッチコック的な、ものすごく魅力的なミステリーになりそうなものです。

なんかすべてが惜しい!って感じです。どこかで見たような、という気もしますし。
でも決して悪くない。終始一貫して重くてじっとりした空気と、小説を読むようなテンポでしだいに皮が剥けていく真相。登場人物たちの真の中身。そして窓から観てるだけではわからない家々の真実。後味は悪くなかったしモヤモヤも残らなかった。だからこそ、記憶に焼付かない。そこがやや残念な感じ。

エミリー・ブラント、レベッカ・ファーガソン、ヘイリー・ベネット。
ルックスも演技も、3タイプ違った美女、とても見ごたえある豪華な布陣。みんな違うタイプだけど好きな顔だち。特に、ヘイリーの白くてもちもちの肌と小さい目のファニーフェイスが、ジェニファーローレンスとどこかかぶる。

この下はガッツリ結末まで書いちゃってます。











ネタバレしちゃうと、ふたをあければ、アル中女とメンヘラ女と寝取り女。という最悪なコレクションなんですが、それでもこの3人並べて堪能できるならば(やらしい意味ではありません、いや、やらしい意味もあるか)「くっそ、トム、替われ」と思うんじゃないでしょうか。ご安心ください。そういう男は最後、酷い結末を迎えますから。グリリっ!てね!

ついでに刑事役でアリソン・ジャネイが出ていて、すごく重要そうにそこにいるんだけど、たいしたことなくて、でもアリソン・ジャネイだからなのか、表情ひとつですごい深そうな気がしてくる。

いっぽう男性主要キャストも、だれが黒幕でも不思議がないような怪しさを醸し出しています。
隣家の旦那さんと精神科医がフェロモン系であるのに比べ、3人の女の人生を翻弄する肝心のトム役がやや弱いかな、と思いました。(最初、この役はクリス・エヴァンスにオファーされていたらしい。wikiによると。うわー。)

どこか遠くで鳴っているような、不安感をあおるような劇判音楽が「ゴーンガール」っぽいな、と思っていましたが、これダニー・エルフマンだったんだー。




下書きがいっぱいになったので最近駆け足気味に放出してしまいましたが、つぎは400なので、大好きなアレを…
あまのかぐや

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