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ロスト・バケーションのhorahukiのレビュー・感想・評価

ロスト・バケーション(2016年製作の映画)
3.8
休暇を利用して、誰も知らないビーチにサーフィンに来た主人公。沖の方に来た時に鮫がいることに気づいて、岩礁の上で身動きが取れなくなる話。

鮫に襲われるシーンは少ないですが、岩礁の足場の頼りなさと、満潮というタイムリミットがあって、かなりハラハラします。そして、ビーチが目の前に見えているのにたどり着けないのが絶望感を際立たせていて良いですね。時々人も見えるのですが、何も伝えられず思うようにいかないもどかしさもあって、希望をチラつかせる演出が見ている側を飽きさせません。

冒頭で少年がビデオテープを拾って、粉々になったサーフボードを発見するシーンがあるのですが、これのせいで終始嫌な結末を予想させるようになっていて、緊張感が高まります。そして、いい味出してるのはカモメですね。いい感じに緊張感を緩めてくれて、微笑ましい気持ちになります。カモメかわいい!

限られたシチュエーションで、緊張感をキープしつつも緩急をつけて飽きさせなくする演出が本当にうまいなと思いました。ただ、物語的には上手くいきすぎな部分がかなりありますし、最後が少し大味になってしまったのが若干残念でした。

鮫映画といえばジョーズ、ディープブルーで、それ以外はあまりいいイメージはないですが、この映画は久しぶりの良作鮫映画だと思います。
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