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キ&カ 彼女と彼の小のレビュー・感想・評価

キ&カ 彼女と彼(2016年製作の映画)
3.8
IFFJ(インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン)にて鑑賞。キャリア志向の女性キアと主夫志望の男性カビールの出会いから結婚後のアレコレを描いたヒューマンドラマ。

男は社会に出て稼ぐもの、女は男を支えるものという価値観が日本以上に根強そうなインドで、役割の逆転した夫婦がどう奮闘するのか、というよりも、役割が嫉妬、差別を生むということをグサリと指摘している気がする映画。

出会いから結婚後しばらく、二人の生活は順風満帆。夫のカビールは超優秀で性格も穏やか。彼が創り出す家庭環境は心地よく、笑顔になれるような素敵なもの。おかげで仕事に没頭できるキアは順調に出世していく。

しかし、カビールが「カリスマ主夫」として世間から脚光を浴びると、二人の関係がギクシャクしていく。それはキアがカビールに嫉妬するから。外に出て稼ぐ方が、家で支えるよりも偉いという感覚に男女の差はないのかもしれない。

外での仕事と家での仕事は車の両輪。優劣はないはずだけど、外の方を偉いと思うことは「そういうもの」(だったかな?)と。重要なのは、そういう風に思ってしまう人間の性質を知り、意識して相手を思いやること、かな。

オジサンを中心とした、外で働く人が持ちうる普遍的な傲慢さ。男女の役割を逆転させて描くからこそ、オジサンに余計グサリときちゃうのかも。

ところで、ビリヤニというインドのごはん料理をこよなく愛しているのだけれど、出前でビリヤニを注文するシーンがあり、インドはいいな、と(笑)
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