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カフェ・ソサエティの小のレビュー・感想・評価

カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)
3.6
ウディ・アレン監督作品、実質初鑑賞。実質というのは、大学生になるかならないかの頃、友人に誘われて『ハンナとその姉妹』を観たけれど、まったく記憶にないから。同時期に観た『マルサの女』は良く覚えているのだけれど…。

そのせいか、ウディ・アレン作はどこか近寄りがたい印象だった。ユダヤ人のことを取り上げ、コメディだけどちょっとスパイス効き気味な感じ。映画通の評価は高いみたいだけれど、きっと自分は良さがわからないだろうと思っていた。

ということで30年ぶりのウディ・アレン作鑑賞。1930年代、黄金時代のハリウッドとニューヨークを舞台に描くロマンティックコメディ。真っすぐな心を持つ青年がハリウッドで知り合った女性といい関係になるが、実は彼女には青年にとってビックリな恋人がいて…。

登場人物の紹介や状況を言葉でバリバリ説明する小説みたいな映画。成功はもちろん、生きていくうえでも、真っすぐなだけではない現実。人生って、こういうことでしょという感じ。思いはかなわなくても、欲張りで、いつまでもウジウジと諦めが悪いのが人間。で、ユダヤ教は結局ダメじゃん、みたいな。

コメディなのだけれど笑うツボが見いだせず、じめっとした皮肉っぽさに、ノリにくさを感じる。でも、そんな雰囲気のウディ・アレンにちょっと親近感を感じたりもするから、始末の悪い自分。代表作を観てみようかしら。
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