140字プロレス鶴見辰吾ジラ

ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOSの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

2.8
【独眼龍】

ゴジラ1954の直接的世界観であり、モスラやサンダ&ガイラ等、未知の巨大生物が災害のメタファーの如き存在する日本。前作のゴジラvs機龍の続編として公開された本作は、人間が禁忌を犯して人造生物ないし人工知能のような高度科学に触れることはいけない!と諭す物語である。モスラ界隈に初代「モスラ」に出演した小泉博を抜擢し、その孫の純粋さをモスラ召喚のキーにするなど、モスラという守護獣に物語的なパワーを与え、メカゴジラにはゴジラがオキシジェンデストロイヤーで溶け残った骨の残骸を骨格にした、いわゆるエヴァンゲリオン的なギミックで人類の禁忌性を高めている。人類が足を踏み危ぶめばモスラは人類の敵に回る。つまり地球が人類に牙を剥くという現代テーマ的なゴジラとして下ごしらえは非常に評価できるモノクロとなっている。機龍が固めを潰され、独眼龍のようになるのは素晴らしいルックだ。

ただ、しかしながら確実に予算や俳優の技量、そして特撮的世界観が限界であり
、ゴジラの生物性や臭いセリフ回し、そしてドラマチックにしてこれなかった俳優陣によるまさかのラストミニッツレスキューにバランスがガタガタに悪い。劇中のアブソリュートゼロが配備不能でメーサーを突貫でつけたのは、本作の公開にあたってのメタファーなのだろうか?意味深でダサい逆光シーンに腹が立った。