成川ジロー

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。の成川ジローのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

旧版(の前編)でトラウマ並の恐怖を与えられた者です。ティム・カリーのITはガチで怖かったし、未だにピエロそのもが正直怖いとは思う。
そもそもホラーは苦手で、あんまり自分からは見に行かないのだけれど、ジュブナイル要素のあるホラーは結構好きで鑑賞。日本では『学校の怪談』(旧作)なんて最高に大好き映画があるけど、スティーブン・キングのジュブナイルホラーはそれに近いものがあると思う。

全体的に音楽がうるさすぎるところはあるけれど、かなり良くできていたと思う。旧版に負けず劣らずペニーワイズは怖いし、いじめっ子も怖いし、それらを団結して勇気を出して超えていくのは熱いし、ビルのジョージに対する思いで泣かされるし、凄い良かった。ITと言うかスティーブン・キングに多大なる敬意を表している『ストレンジャーシングス』に近いものがある。ってかキャストが一人被ってるから意識せざるを得ない笑 
回想とかではなく完全に分割したので一つの映画としてまとまってた。良作。
むしろ大人編は、大人があの類の化物に直面するのを面白くやるの難しいし正体がガッカリする造形(旧作)だったりするかもしれないし仲間が死ぬから、ラストのシルバー号は上手くやったものを見たい気がするけど、これで終わっといた方が良いんじゃないかなとも思った。まあやらなきゃ少年編の時代設定を進めて、大人編を現代でやるっていうリメイクの意味が無いんだけど。。

とにかく、本当に良い出来。ただのホラーではない、虐げられる者たちへの応援歌でもある素晴らしいジュブナイルホラーになっているので、オススメ。かなりの恐怖があるけど、その恐怖を乗り越える成長と絆が描かれるから、ジュブナイルホラーは本当に好き。
大人編は今は不安の方が強いけど、期待してます。


ベバリーの最後の方の台詞が素敵。
負け組(Loser's club)みたいに自分らのグループを自虐的に言ってるんだけど、ベバリーが「あなたたちと一緒にいて、自分を負け組だと感じたことなんて無いわ」みたいなこと言うのよ。
本当に素敵な台詞だ。
成川ジロー

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