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ハクソー・リッジのRのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
4.7
素晴らしい!!! めちゃめちゃ感動! 沖縄戦にて、ハクソー・リッジという切り立った崖を登ったところにある高知を攻略しようとするアメリカ軍と日本軍との熾烈な攻防戦のなか、自分の命を賭してでも、出来るだけ多くの負傷兵の命を救おうとしたドスという衛生兵が主人公。前半はドスがいかにしてキリスト教の信心深い男になっていったか、そして、荒れた家庭を離れて軍に所属し、人の命を奪う訓練は頑なに受け入れず、軍裁判にかけられてでも人の命を救うためだけに軍に残り戦場に赴くのだと、強い信念を貫く様子が描かれる。後半は、ハクソー・リッジ戦。まぁ残虐シーンのすさまじいこと! ここまでやると戦争の悲惨さを感じるというよりは、次にどんなエグいシーンが出てくるのかワクワクしてまう。刺激の強いシーンは早戻しスロー再生してついついじっくり見たりしてしまいました。内臓ちゅばーん、血びゅーびゅー、解体どーんのオンパレード。素晴らしい。前半はめちゃめちゃドスをバカにしてたスミティだが、後半には2人の間に友情が芽生えるのがとても心に熱い。それが終わったら今度は日本兵に見つかるか見つからないかのハラハラドキドキサスペンス。娯楽性高すぎて楽しむしかできません。けど同時に、人命救助という崇高な神の使命を、何があっても絶対に貫こうとするドスの姿に感動もする。そのどれもが不自然な盛り込みすぎ感なく驚異的なバランスで描かれててすごすぎるなーと思った。ちなみに、天皇陛下ばんざーい!な日本軍は、何考えてんのかわからん日本人独特の不気味さ(これは現在も変わっておりませんが笑)がしっかり出てて、面白いなーと思った。洗脳されて完全におかしくなってる感じ、そりゃ怖いわな、外人からしたら。それがすごい強さにもなってるけど、結局信じてるもんが軍部にその権威を利用された天皇というスケールの小ささやからどうしようもない。それに比べると、ドスは創造神である愛をまっすぐに信じ、その信念を貫くことで、人の命を救いまくるという偉業を成し遂げる。これは真摯な信仰心なしには絶対に成し得ないことだ。ボクは個人的に明確な信仰や哲学がある人に比べて、それがない人たちはぜんぜん弱っちいと思ってる。なぜなら、そういう人たちは、結局、長いものに巻かれてマジョリティと同じことを言ったり、したりすることしかできないし、状況が変われば平気で言ってること変えるし、そうでなければただ頑固になって愚痴っぽくなるしかないからだ。で、ただただ金の出所の奴隷になって、自分のためだけに生きてるくせに自分さえ幸せにできず、現実の不毛さから目をそらして、これでいいんだ、こういうもんだ、と自分を思い込ませて生きていくしかない。そういう人たちは、とかく中立や客観や相対やほどほどを好み、それに外れるものをおかしいと決めつけ、状況に応じて守りに入るか、逃げることしかしないから、大したことを成し遂げることもないし、本当の意味で信用することなんてできっこない。それと比べたときのドスの一貫性と忠実さは、崇高で美しく感動的だ。最終みんな崇敬の念を抱くしかなくなってる。結局従うことしかできない羊たちが尊敬してる人たちって、中立や客観や相対やほどほどからほど遠い、自分にしか従わなかった変態たちやん。ちなみに、戦争の悲惨さという点については、ゴーリーな戦場よりも、WWⅠでの悲劇と後遺症に苦しむお父さんと、その影響をモロに食らうお母さんの苦悩の方により色濃く表れてると思った。ひとつ気になったのは、アンドリューガーフィールド。顔が泥まみれになってない限り、さすがにもう若者には見えないよ…もっと明らかにツルツルで若かったら、前半の女口説きのキモさも半減以上してたんじゃないかと思います。とはいえ、全体としては素晴らしい出来栄えや。やっぱメルギブ良い!
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