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手紙は憶えているのYYamadaのレビュー・感想・評価

手紙は憶えている(2015年製作の映画)
3.9
【サスペンス映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
 ○: 観客の緊張感を煽る
 ○: 超常現象なし

◆作品名:
手紙は憶えている (2015)
◆サスペンスの要素:
・アウシュビッツ首謀者の捜索

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・妻の死も覚えていられないほど、痴呆が進んでいる90歳のゼブは、友人のマックスから1通の手紙を託される。2人はナチスに大切な家族を殺された、アウシュビッツ収容所の生存者だった。手紙にはナチスの兵士に関する情報が記され、その容疑者は4人にまで絞り込まれていた。
・体が不自由なマックスの思いも背負い、ゼブは復讐を決意し、1通の手紙とおぼろげな記憶だけを頼りに単身旅に出る…。

〈見処〉
①「戦争犯罪」+「記憶」を題材とした、
 サスペンス映画の傑作
・『手紙は憶えている』(原題: Remember)は、2015年にカナダ、ドイツ合作にて製作されたサスペンス映画。
・ある1通の手紙をきっかけに、ホロコーストの復讐の旅に出る男の姿を、アトム・エゴヤン監督が描いた本作は、第72回ヴェネチア国際映画祭Vittorio Veneto Film Festival賞、第16回カルガリー国際映画祭観客賞、2016年カナダ映画賞オリジナル脚本賞等を受賞など、多数の映画賞を獲得。
・出演は『人生はビギナーズ』で史上最高齢のアカデミー助演男優賞に輝いたクリストファー・プラマー。マーティン・ランドー、ブルーノ・ガンツらベテラン俳優陣も顔を揃えている。

②結び…本作の見処は?
重すぎるロードムービーでもある
◎:「驚愕のラスト5分、あなたは見抜けるか?」という仰々しいキャッチコピーのもと、斜に構えた鑑賞をしつつ、見事なままに騙されてしまった。非常に明確な伏線を多数配置も、その意義に違和感を覚えず、ラストまで結末を予見させない展開は、大変優れた脚本ということ。
○: 戦争犯罪は過去のもの」「戦争を生き延びたからこそ、子孫繁栄に繋がっている」ことを示唆するように、作中に登場する子役たちが印象的に感じる。
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