三郎丸

哭声 コクソンの三郎丸のレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.5
新年一発目に見るよな映画じゃないエグいのを敢えてチョイス!
本作品は、ジャンルとしては宗教映画をベースとして…
【ホラー映画のごった煮】
ですかね。

とにもかくにも、
哭声(コクソン)=國村(コクソン)
と言えちゃうくらいの怪演!
ふんどしになろうが鹿肉生で食おうが、とにかく國村さんは目ですよね、目!
何も語らなくても場面毎にみごとに印象付けてきます。最後まで演じきります!
韓国映画に独り出演し、しっかり仕事しますから…色々おっかないオッサンです!

この作品に日本人は必要ないと言う方もいるかもですが、韓国人にとっての日本人は…感情を出さない、また、言葉少なで何を考えているのか分からない…
が絶対的な異質感を醸し出しています。
また、小さなムラ社会(ぶっちゃけ人が死に過ぎで国家案件じゃ…)
それゆえ、噂がウワサを呼び、呪術や悪魔、鬼神(韓国の悪霊)などがまかり通る。そして観賞者を巻き込んでパニックを助長する。
これが、監督の狙いだと思います。
 
この作品ではお互い疑りあいしながら、決して胸襟を開いて話すことはないし、お互い聞く耳も持ちません。
「本当の事を言っても信じないだろ?」と…そんなことをやってるから、悲劇は連続して起こり、やがて主人公と家族にも連鎖が…
というお話。

深く考えないで見ても、韓国の呪術文化や日本と似た閉鎖的ムラ社会。
呪いから始まり、エク○シスト、ゾ○ビ等々のホラー映画を監督がカブせてきます。
基本重いストーリー展開なんですが、ゾ○ビはいくらなんでもやり過ぎでしたね…
「え!急に!?ゾ○ビ!?この話どこに行くの?」
的な、張りつめた作中にポイと出てきたので個人的に失笑ポイント!

そして、ガッカリしたのは、
この手の話に大事な結局犯人は誰なの??
原因不明の湿疹は何が原因なの??
國村さんは悪霊なのか神(手のひらに杭で開けたような穴が…キリスト?)
毒キノコの効能は結果として登場人物にどう影響を与えたのか??
観賞者は作品の後半までグイグイ引きづられた挙げ句、ポイっと放り投げられた乱暴な感じが残りましたので、減点させてもらいましたが、作品の見応えはありました。
ディープな韓国映画は疲れます。
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