るるびっち

シュガー・ラッシュ:オンラインのるるびっちのレビュー・感想・評価

3.9
高橋ジョージと三船美佳のトラブル(虎舞竜)の原因がよく解った。
ジョージ氏は、この映画辛くて観られないのではないだろうか。
やはり、年の離れた娘を追いかけるとこうなるな。

いつまでもこのままが良い中年男と新しい刺激を求める若い女の、カップルあるある。中年男にこそ刺さる映画であって、子供が観るもんじゃない。
ラルフとヴァネロペの関係をカップルでなく、親子と捉えても中年向けと思う。
恋人に海外留学すると突然言われた彼氏なら、中年でなくとも刺さるかな・・・

映画というのは、知性よりも心の豊かさよりも負の感情を多く持つ人が最も共感できるのではないかと思う。勿論、映画にもよるが。
ラルフの行動は、品行方正な人には解らないかも知れない。
姑息な人間の方が、気持ちが良く解る。
最愛の娘や恋人が海外留学すると聞いて、正面から反対する勇気がないので空港に行けないようタイヤの空気を抜いておいたり、カーナビをいじったり、キーを隠すような(実際しなくても)姑息な人間こそラルフの行動に共感する。
そして、それが却って事故の原因になると、後で自分の愚かさを呪う。
あー、刺さる刺さる、イタイイタイ・・・

心の醜さという抽象表現を映像的に具体化するために、ラルフのコピーが出現する。鏡を見るようにコピーの暴力性を見る事で、ラルフ自身が自分の醜さに気付く。
コピーは合体して、キングコングのように巨大な欲望の象徴として出現。
『キングコング』は、美女を手にビルを登り暴れる映画。
当然、その手にはヴァネロペが載せられる。
前回のように悪役が出てこない。悪役がいれば、ラルフが酷いことをしても悪役に騙されていたで済む。力を合わせて悪を倒せば、友情は戻る。
今回は、悪は自分自身の中にある。
自分の中の悪を倒さねばならない。それは身を引き裂かれるように痛い。
ジョージ泣くな!! キングコングはパワハラなのだよ、家庭内虎舞竜なのだ!!
中年よ、自分の中のキングコングは退治しよう。若い子にしつこくしたり、ストーカーしてはいけません。カトちゃんは大丈夫だよね? 昭和の菅田将暉だから…
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