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サマー・インフェルノのSameのレビュー・感想・評価

サマー・インフェルノ(2015年製作の映画)
3.0
『Rec』のジャウマ・バラゲロが製作総指揮、過去のバラゲロ作品で脚本も担当していたアルベルト・マリーニが監督した感染系ホラー。
キャスティングのメンバーを見ても本気度が伝わりますね。
スパニッシュホラーのメインストリームなメンバーが作っただけあってとても意欲的な作品でした!
新しいもの見せようという気概は強く感じましたね。今作の新機軸はなんといってもシチュエーション・シャッフルホラーという正しいのか怪しい英語(笑)で表された感染しても少し暴れたらまた正気に戻るという設定ですね。
それによりコントみたいな、今度はお前かーい!みたいなシーンが連発します笑
たしかにこれまでの感染系ゾンビ映画の場合、感染者が暴れて襲いかかってきたとしてもそれは病気で錯乱してる人であって、急に主人公たちが残酷に退治するって言うのって違和感ありましたよね。

それは納得なんですけど、ゾンビ系というか感染錯乱系ホラーってある程度感染した人数がいてわちゃわちゃしないと絵が持たない気がするんですけど、これ登場人物が少ないんですよ。なので3、4人が入れ替わりでギャー!グオー!みたいな奇声を上げて取っ組み合いするだけで絵面が地味なんですよね。うるさいし。

主要人物は4人。スペインの山奥でキャンプ指導員として集まったアメリカ人の男女4人。英語も学べるキャンプと言うことでアメリカ人が呼ばれたわけです。
キャンプ地は使われなくなった田舎の邸宅。翌日に子供たちがやってくるので、前日にリハと準備に追われていました。
このメンバーがみんな曲者というか、なんでこんな性格設定にしたのかわからないのですが、他人を陥れるような嘘をついて自分をよく見せようとするキザ男のアントニオ、とにかく極度に自己中なクリスティ、なぜかみんなに全然話を聞いてもらえないミシェル、みんなが狂犬病かもしれないって言ってるのに犬に触りに行って噛まれた先走り気味なウィル、というどうしようもない4人が主要メンバーです。

突然黒い液体を吐いて暴れ出したアントニオを皮切りに、次々とメンバーに異変が起こります。

以下ネタバレ










狂犬病→綿毛→水→新しいキノコを使ったドラッグの実験という風に原因が判明していきます。こんな凶暴性が発露する原因物質としてスタキボトリスなるワードが出てきましたが、調べたら黒カビでした。体にいいもんじゃなさそうだけど。
それにしてもクリスティをあんなに自己中に描く必要あったかなあ。極限状態におけるリアルな人間性を見せたかったのかな。でもそれにしてはあんな事態になる前からクリスティの自己中感出てたし(トレーニングに文句を言う、シャワーが出ないことをずっとぶつくさ言う、場違いな服、ミシェルの話を無視して買い物に行きたいという、食事の準備は手伝わないくせに地味にこっそりサラミを食べて、食べてないのを装うために皿の上を並べ直したり)。
どうせなら最後1人だけ生き残って欲しかった。あんな棒切れに刺さって無様に死ぬという、観客の溜飲を下げるようなおぞましい演出をするくらいなら、図太く生き残って欲しかった。
映画序盤の謎の目隠しトレーニングの伏線が最後来たのはよかったですが、後半にもっと驚きが欲しかったですかね。
みなさんが言われるようにラスト逃げたのはなんでや!とは思いました笑
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