ギリシアのアガメムノンが元ネタになっているサイコホラーです。
しかし、サイコホラーにしては怖くないし不気味さもさほどありません。
ストーリーとして、かなり破綻しております。
描きたかったテーマはよく分かりますが、テーマやメッセージ性、戯曲的なキャラクタの振る舞いが主張しすぎていて、物語として成立していないんように思います。端的に言えばストーリーが面白くない。盛り上がりもない。画作りは芸術よりかも知れませんが、インパクトはない
全てにおいて淡々としています。
それが一つの完成形なのかもしれませんが、私としては、一つの物語として表面的なストーリーがあって、意味を読み解くと実はこういう構図を描いている物語だった、という二重構造の映画が好きなので、表面的なストーリーが破綻している時点で脚本下手くそだなと思ってしまいますし、退屈で意味がわからないといった印象しか持てませんでした。
見る側に想像力をかき立てたり構造を紐解かせるタイプの映画はもちろん好きですが、ここまで物語の構築を無視されると、私は好きじゃありません。
訳のわからない恐怖、得体の知れない不気味さの演出にも失敗しているので尚更です。
あー、こういう話が書きたかったんだなぁとら分かりますが、だからといってメッセージ性や訴求力は低く胸には刺さりませんでした。
全然お勧めできません。
主人公の顔が好きだったくらいです。