原型をとどめていないリメイク
高倉健の「君よ憤怒の河を渉れ」はアジア圏で大ヒットを記録して、ジョン・ウー監督も感銘を受けた一人だそうである。
「日本で映画を撮ることが夢だった」と語る監督が全編大阪ロケで作り上げた本作は、びっくりするほどオリジナルの原型を何一つ留めていない。というか全くの別の作品である。
徹頭徹尾アクションに徹するその潔さといい、ジョン・ウー監督の新作としては百点満点の出来栄えで、疾走するバイクに二丁拳銃と監督の代名詞をこれでもかと堪能できる。
意味もなく鳩を飛ばす（むしろ鳩を飛ばすことに意味がある気すらしてきた）その強引なシーンも、監督の映画が好きなら笑って許せるはず。
本編終了後にメイキング映像までつく充実っぷりで、個人的には全く必要ないサービスだなと感じたが、キャストの1人に監督の娘がいることを知って驚き。
