小

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だの小のレビュー・感想・評価

3.8
渋谷のユーロスペースで、石橋静河さん、池松壮亮さん、石井裕也監督の舞台挨拶付き。2人の俳優さんはやはり美しく、カッコよかった。ということで思いの外、女性ばかりの完全アウエーの中で鑑賞。

最果タヒさんの詩集「夜空はいつでも最高密度の青色だ」をもとに、都会で暮らす現代の若者の生きにくさと、でもその中にある希望みたいなものを描いた作品かな。国際紛争、国内政治・社会問題、自らの生活、恋愛--。大きいテーマから身の回りのことまでを同じような質量でとらえる2人が偶然の出会いを重ね、心を通わせていく。

不安、孤独、悩みを抱きながらも強がる美香に対し、ひたむきに生き、やがて希望を見出していく慎二に美香の気持ちも変化していくような感じ。悪くない。悪くはないのだけれど、オジサンの自分にとって心震える物語ではなかったかも。

実は、大好きな女優・原田美枝子さんの次女石橋静河さん目当てだったのだけれど、まあ、そういう視点で期待する方が良くないのかも。池松さんは、さすがの演技だっただけに、やはり拙さというか、育ちの良さが出てしまっているのかな? もう少し、ガッツというか、生きにくい感じが強めの方が自分的には良かった。ちょっとひねくれ気味で、小生意気な印象にとどまったかも。

舞台が渋谷、新宿なので、映画館巡りで徘徊するあんなとこ、こんなとこが映し出されているのは臨場感があってよかった。

詩集の映画化ということもあって、映像はオシャレで結構、見どころがあったように思う。赤や青の色使いも良かった。赤い点が夜景に変わっていく映像が個人的には好き。

●物語(3点×50%=1.5)
・都会の生きにくさ、その中での希望。悪くはないけど、若者向けかな。

●演技、演出(4点×30%=1.2)
・池松さんの演技、ロケーションがグッド。

●映像、音、音楽(5点×20%=1.0)
・映像は芸術的でキレイ。いろいろと工夫もある。

●スペシャル加減点(+0.1)
・舞台挨拶の方々が近くで見れて良かった。さすがユーロスペース。
小