本作の製作背景は、金子修介監督が書いているロマンポルノ無能助監督日記に詳しい。チーフが那須博之でセカンドが金子修介監督だった。小松方正の成金ぶりがおかしい。下着メーカーでスカートめくりしたり従業員の下着チェックしたりする男性上司！森喜朗の発言で混乱するIOCを尻目に女性差別発言てんこ盛り。こうなるべくしてこうなった昭和の政治家。

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下着デザイン会社に勤務する女性（鹿沼えり）が、生活の安定をもたらしてくれる愛人（小松邦正）と刺激的な性生活を与えてくれるプレイボーイ（北見敏之）の合間で、心を揺り動かす。女権主義者の性意識を説いている、日活ロマンポルノ。

「女が男を選ぶ時代」を背景にしながら、女性の幸せ探し（幸福論）をテーマに扱っている作品。女を武器に世渡りするという王道パターンを踏襲しているが、女性が自立した状態から始まるドラマが、80年代ならでは。

同居人である女性（江崎和代）の背伸びした姿が、非童貞を装っている男性のそれと被るため、身につまされてしまう。行きつけのバーのオカマ店長（堀礼文）が、性の暴走状態にある主人公に対して、「あなた、怖いわ！」と恐怖するところも面白い。

総合的には淡白な部類に入る作品だけども、「自立した女性像、ここに極まる」を享受することが可能。そして、「小松邦正 対 鹿沼えり」の、歳の差セックスに見世物的な味わいがある。

• #エロ映画

裏表がない自然な姿の鹿沼えりがとにかく素晴らしく、その自由な生き方（魅力）を淀みなく映す根岸吉太郎の手腕に脱帽。わざわざ深刻ぶらず、だからといってカリカチュアされたバカバカしい喜劇にもしない、ポルノ的な人物を配置しているのに、ベタベタさせず実にさりげなく関係性を描いている。背景は古びたとしても、時代の空気は今でも感じることができる洒落たフランス映画の匂いが確かにあって、終わりまで多幸感に包まれていた。あの縦長の狭いオフィス、ロメールの映画で見なかったか。同居していた女性にもそれぞれ転機が訪れ、別れがあり、新たな出会いがある。たんなる男女の好きだ嫌いだのドラマではない、一歩前に足を踏み出すことができるかどうか、少女から大人へと成長していく「映画」だと分かる。小松方正とは朝までヤらんが、北見敏之なら朝でもファック、openingとendingが一周回って最高。