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牝猫たちのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

牝猫たち(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

池袋の風俗店で働く3人の女性「雅子」「結衣」「里枝」(いずれも源氏名) が主人公。お互い本名も知らず、年齢も、各々の置かれた境遇も違うのだが、不思議と馬が合う仲だった。
ある日、雅子は常連客から彼女の盗撮動画がweb上に投稿されてると知らされる。公開したのは風俗店のドライバーで、そのことを知った店長はドライバーをクビにするが、動画をきっかけに雅子の人気は上昇する。一方、里枝は孤独な老人に指名を受け続けるが、彼は対話や食事をするだけで一切行為は求めなかった。やがて里枝は老人の妻が昨年亡くなっていることを知るのだが…という話。
日活ロマンポルノ45周年のリブートプロジェクト作品らしく、オリジナル版があるのだろうがそちらは未見。
監督は「凶悪」「麻雀放浪記2020」などの白石和彌監督。

※黒い星が加点部分
個人的好み :★★★★☆
ダメ映画度 :★★☆☆☆
インパクト/意外性 :★★☆☆☆
映像 :★★★☆☆
ストーリー整合性 :★★★★☆
引きこもり役が筋肉あり過ぎ度
:★★★★★

(感想)
退廃的ながらもテンポの良い対話がどこかコメディタッチな群像劇。
主人公らの設定にネットカフェ難民、シングルマザー、不妊症といった社会的問題が含めており、また、彼女らの常連客も引きこもりや独居老人などの問題を抱えた人物を配置しており、なかなか難しいテーマを扱っていて、見応えがあった。
主人公たちはそれぞれの境遇からふらりと性風俗の世界に入ったことが語られている。その後も流されるまま、先のことを見据えてわけではないが、それでも強く生きている様子が描かれている。主人公たちそれぞれの結末も、倫理的な正しさや前向きな展望とはほど遠い淡々としたものとなっていた。それでも構成や撮り方が上手いのか最後まで目が離せない作品だった。
舞台が池袋で、ロケ場所も完全に東口近辺なので、見覚えのスポットがたくさん出てきて楽しかった。夜中とはいえサンシャイン通りで長回しするのは大胆。
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