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国選弁護人ユン・ジンウォンのTAMUのレビュー・感想・評価

4.2
法廷を中心とした映画なのですが、最近の流行りとしてライトにエンタメ方向に振れるのかとなめてました。すいませんw

地域の再開発により立ち退きを要求される住民が抵抗し、撤去屋(チンピラ)、警察隊と入り乱れての衝突。混乱の中で起きた、少年と警官2人の死。

警官を殺してしまった住民(イ・ギョンヨン)とチンピラは間も無く逮捕されるが、警官を殺してしまった男が「息子を殺したのは警官だ」と告白する。

その男に付いた国選弁護人ユン・ジンウォン(ユン・ゲサン)が隠された真実を明らかにすべく、国を相手取り、たった100ウォンの損害賠償請求を起こす。

この映画、グイグイとストーリーを引っ張っていく展開が力強い。相棒の弁護士、新聞記者、検事、判事、チンピラ、被害者の父、と多彩な登場人物がそれぞれ葛藤して、立体的に事件の全体像が明らかになっていく。

極端なキャラクターがおらず、それぞれの役者さんが抑えめで真に迫る演技でいい味出しててたまらないw

特に殺人犯の男イ・ギョンヨン。悪い偉い人演じさせたらピカイチですが、この映画では朴訥なブルーワーカー。そして目の動きや話し方や身のこなしが全然いつもと違って力が無い。そりゃそうかと思いつつも目が離せない♡

そして、インチキ臭い相棒弁護士ユ・ヘジン。ハッタリを得意とするハマリ役。前半飲み屋で「今日はパーッとやりましょう!」な展開の「パーッ!」が真似したくなるほど最高ww

縦にも横にも広がる権力者集団、いわゆる国家。そしてその重厚な壁に立ち向かう一市民。漫画にならずドラマチックになり過ぎず、支配構造やら心理戦やら勉強になる。今、韓国政治がホットではありますが、意外と牽制能力は我が国よりも鍛えられているのかもしれません。
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