小

リングサイド・ストーリーの小のレビュー・感想・評価

リングサイド・ストーリー(2017年製作の映画)
3.4
新宿シネマカリテ夏の恒例企画「カリコレ2017」オープニング作品。日本アカデミー賞で安藤サクラさんが主演女優賞を受賞した『百円の恋』の武正晴監督の新作。

プライドだけは人一倍高いけど売れない俳優・村上ヒデオと同棲する江ノ島カナコが、ある日職場をリストラされる。カナコに働かせて俳優業に専念したいヒデオは、自分が好きなプロレスの団体で働くよう仕向ける。

プロレスのことなど全く知らないカナコは戸惑いながらも奮闘し、次第にプロレスの面白さに魅了されていく。楽しそうに働くカナコに嫉妬したヒデオがアレコレ問題を起こし…。

ダメ人間があるきっかけから一念発起して変わっていくという『百円の恋』に似た感じのお話。ただ『百円の恋』の「変身」みたいな圧倒的なインパクトはなく、ヒデオとカナコの関係性を味わうヒューマンドラマかな。

ダメ男を見捨てない女性の心理って良くわかないけれど、この映画では「夢を見続けさせてくれる男って貴重」ということなのかな。個人的には平成の時代にあって、その前提となる「男の夢は自分の夢」みたいな価値観がすでに貴重な気がするけれど。

カナコの仕事を通じてプロレスやK-1の裏舞台を垣間見ることができるお仕事ムービーの面やプロレス関連の懐かしい小ネタもあって個人的には楽しめた。

ただまあ、こじんまりとまとまった感じで、印象は薄めかな。舞台挨拶でも話題になっていたようにプロレスラーって役者みたいなものだから、役者のヒデオならプロレスでインパクトのあるパフォーマンスを見たかったかな。

●物語(50%×3.0):1.50
・話はベタじゃないかと。格闘技の世界が舞台なので期待したけれど、そちら方面のカタルシスは感じなかったかな。

●演技、演出(30%×3.5):1.05
・本物のレスラーや選手の方たちの演技がなかなか。

●映像、音、音楽(20%×3.5):0.70
・ラスト近くのリング上映像が好き。

●お好み加点:+0.10
・舞台挨拶で本作に出演したプロレスラー、黒潮"イケメン"二郎さんの天然トークに笑った。
小