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レザボア・ドッグスのbackpackerのレビュー・感想・評価

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)
4.0
クエンティン・タランティーノ(以下、QT)の監督処女作が、1992年公開の本作『レザボア・ドッグス』です(『トゥルー・ロマンス』で脚本はデビュー済)。
約10年ぶりに再鑑賞した本作、初めて見たのは中学生の時だった記憶ですが、改めて見てもやっぱり面白いですね。

あまりにも有名なので皆さんご存知とは思いますが、本作についての情報等を、自身の備忘の為に記載しておきます。

ーーーー【概要】ーーーー
QTは、マンハッタンビーチのレンタルビデオ屋店員として働く傍ら、映画脚本・映画評論の執筆、映画監督へのインタビュー、俳優デビューを目指す等の活動をする映画オタクの青年でした。
金の無いQTと俳優志望仲間は、自分達の売り込みに使う成果物として自主制作映画を撮ろうと考えます。
その際の自主制作映画用の脚本が、『レザボア・ドッグス』だったわけです。
この脚本を映画プロデューサーのローレンス・ヴェンダーがほうぼうに見せて回ったところ、なんと一読したハーヴェイ・カイテルが「出演したい」と立候補。
資金調達までやってくれたため、自主制作映画の予定が、ちゃんとした映画(キャストも豪華)に仕上がりました。
(ただし、制作費約150万ドルという低予算には変わりありませんでしたので、出演者に自前のブラックスーツを持ち寄ってもらい、衣装としたりしています。)

本作は、QT自ら認めておりますとおり、数多の作品からのオマージュがされています。
『現金に体を張れ』『サブウェイ・パニック』『友は風の彼方に』『いぬ』『アリバイなき男』『続・夕陽のガンマン』『仁義なき戦い』等々……。
多くの映画から「ここだ!」というエッセンスを持ってきて、独自の形に織り込み、それを繋げるのはQT節爆発の脈絡もない与太話。このくだらない与太話はQTの真骨頂として、その後の彼の映画全てでも爆発しています。

独自の形に織り込む能力という点で言えば、あまりに有名なテーマ曲『リトル・グリーン・バッグ』を使うところも、ミキシングのセンスが溢れているポイント。
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メキシカン・スタンドオフで三竦みになったとき、ナイスガイ・エディが"誰にも撃たれてない"のに撃たれて死んでしまうシーンは、ついつい何度も巻き戻して見てしまいました。
というのも、このシーンでエディが先にぶっ倒れてることをすっかり忘れてしまっており、「何だこれは???」と素でわけわからなくなってしまったからです。
「あ、そうだ。間違えて血糊が先に出ちゃったんだよな」と思い出しましたが、それを知らなかったら、いつまでも気になり続けたことでしょう。
まんまとしてやられたといいますか、何度見ても面白いなぁ、なんて思ってしまいました。

クライマックスの「ラリー、俺はデカだ」「んん~っ……」のくだりといい、実に男臭い、熱い男の友情がたまらない本作。
QT伝説の第一幕、まだ見たことない人は、是非ご覧いただければと思います。
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