茜

レザボア・ドッグスの茜のレビュー・感想・評価

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)
4.0
ファーゴの変な顔で有名なブシェミが出ていて、思わず初っ端からテンションが上がる。

想像以上に血みどろバイオレンスなんだけど、妙にタランティーノが撮るとオシャレになるのは何なんだろう。
タランティーノ監督作品はどれも選曲が最高に良くて、きっと監督は音楽も大好きな人なんだろうなぁと思う。
オープニングのスーツにサングラス姿の男たちが歩くシーンに合わせて流れる「リトル・グリーン・バッグ」…もう最高過ぎる。

最初は犯罪映画なのかと思いきや、意外にも彼らの犯行現場といったものは全く描かれておらず、
閉鎖的な倉庫のような場所で彼らが会話や怒鳴りあいの喧嘩をするシーンでほぼ構成されている。
犯罪自体を題材にしている訳ではなくて、犯罪集団の中で起こる人間関係のトラブルを映画にするっていう観点が既に面白い。
特にオレンジとホワイトの関係性が良くて、それぞれを色で呼び合い素性を全く明かさずドライな関係を保つ彼らの中で、
今回の事件をきっかけにオレンジとホワイトとの間には妙な絆みたいなものが芽生えていたものの、
そんな中で最後にオレンジの正体を知った時のホワイトの雄たけびがまさに圧巻だった。

タランティーノ監督は日本のヤクザ映画にも多大な影響を受けていると目にした事があるけれど、
ヤクザ映画を殆ど知らない私でも、何となくじんわりとその片鱗が伺えるような気がする。
救いのない生き方って悲しいところもあるけれど、やっぱり映画映えするなぁ。
茜