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オアシス:スーパーソニックのabeeのレビュー・感想・評価

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【how it's gonna be,please brother let it be
life on the other hand won't make you understand
we're all the masterplan】

我が青春を彩りしバンドの一つoasis。
出会いは高校生の時、"don't believe the truth"の「Lyla」でした。

大学生の頃コンサートスタッフのアルバイトをしてたことがあって、oasisのライブに仕事で行ったことがあります。
正直、好みはあると思いますがこの頃のリアムの歌い方が私凄く嫌いで。
ただ単に声が出なくなっていたのか、その歌い方がカッコいいと思ってたのか分かりませんが凄いしゃがれ声でがなりながら歌ってて。
だから特別ライブを実際に観たかったとその頃は思ってもなくて。
でもクロークスペースで仕事をしながら壁を隔てて籠った音で聴こえてくる「champagne supernova」を聴いているとやっぱり感動して目の前で演奏を聴きたかったと思いました。

希望が無いわけではありませんが、実際今彼らのライブを観れるチャンスは無くなってしまいました。

終演後は表で外国人の観客がマリファナやってると騒然とし出し、凄い世界に足を踏み入れた気分になりましたww
するとピザのデリバリーのお兄さんがやってきて「ピザの配達です。」と声をかけられまして。
そしたらoasisの日本スタッフの人が駆け寄ってきて「あ、こっちです。ノエルがピザ食べたいって頼んだんです。」と。
終演して速攻ピザ食べんのかよとww

目の前でライブを観たかったという気持ちもありましたが、大好きなバンドのライブを構成するスタッフの1人になれたことはとても貴重な体験だったように思えます。

今作はoasisが解散した後に制作されたドキュメンタリー作品。
結成からイギリス最大規模の観客を動員した1996年のネブワースでの野外ライブまでの軌跡を追ったもので、アルバム作品で言えば「definitely maybe」「(what's the story)morning glory?」の2枚しか発売されていない期間とは思えない程の濃いぃ内容です。

今作は制作総指揮にギャラガー兄弟が名を連ねていることからも分かるように、バンドは元より2人の兄弟の物語が軸になっています。
ギャラガー兄弟は粗暴で問題ばかり起こし、はた迷惑な兄弟喧嘩は日常茶飯事、言動も問題のあるものが多い。
でも、そのキャラクターが彼らの曲とマッチしないことに私は凄く違和感を感じていました。彼らの言動からは想像できない程に曲と歌詞が優しい。
なので、このキャラクターは表向きの作られたものだと思っていたこともありました。

今作を観て頂くと分かるのですが、ギャラガー兄弟は本当によくある普通の兄弟だなと思うのです。
作中ノエルがリアムを妬ましく思っていることを言葉にしているのですが、正直ノエルが言う程リアムはイケメンではないしカッコよくは無いと思う。雰囲気は持ってるけどね。
ただ、ノエルは3人の兄弟の中で一番父親から暴力を受けて育ったということとノエルは顔が父親にそっくりなのですね。
それがリアムを妬ましく思う感情の根本なのではないかと思いました。
それとは逆にリアムはノエルを愛してるのだなぁと感じるのです、憎まれ口を叩こうとも。
だって宥めるノエルを振り払ってリアムが父親を本気でぶっ殺すと言う理由はノエルの想いを知らないと絶対にしないことだと思うし、リアムは楽器を担当しないフロントマンなのにノエルがメインボーカルの曲は多い。それを結局許せるのは愛だと思う。
でも兄弟という関係と仕事仲間という関係の線引きは難しいと思うし、それがoasisが崩壊した理由なんでしょう。
特にノエルにはそれが出来なかったのでしょう。

ということで、知らなかったoasisの一面が観れて、改めてoasisの楽曲を色々聴き直しました。
最近CMでよく耳にする「all around the world」は1996年以降の「be here now」の収録曲なのですが、実はデビュー前から温めていた楽曲と初めて知りました。劇中で聴くことができます。これも名曲ですよねーー、歌詞が良い。

ところで、私は正直お兄ちゃん派で好きな曲もノエルがボーカルを担当する曲の方が多いです。「don't look back in anger」は鉄板ですが、「masterplan」「little by little」「the inportance being idle」と名曲が多い。「the inportance〜」はリス・エヴァンス出演のMVもかっこいい。
リアムは特別歌唱力が高いわけではないと思うし、前述した通り別に超イケメンというわけでもないと思います。
でも特別なロックンロール・スターの雰囲気を持ってます。これは才能だと思います。
ノエルも作中で言っていますが、例え彼らが何をしようとどんな人間だろうと彼らの楽曲はいつまでも聴き継がれると思います。

彼らの音楽は本当に特別です。
全ての音がとても心地良く、歌詞はいつでもリスナーに寄り添うものばかりで、oasisの曲を聴いていると「流れるままに生きていればいい、全ては神のみぞ知ること」と思えるのです。
abee

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