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蠱毒 ミートボールマシンのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

蠱毒 ミートボールマシン(2017年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

突如宇宙から巨大なフラスコのようなものが降ってきて町一帯を覆ってしまう。その内部では寄生生物に取り憑かれ異形の生物と化した人間たちが殺し合いを始めていた。気弱な借金取りの主人公は、寄生生物に取り憑かれながらも唯一自我を保っていた。彼は思い寄せる古本屋の女性店員を救いに行くのだが…という話。

本作とは別に「ミートボールマシン」という作品があるのだが、本作はそちらを原案とした作品で厳密には続編ではないとのこと。なので、単体で観ても大丈夫のはず。

劇場で戦慄なビジュアルの予告編を見て以来、恐そうで気持ち悪そうだけど見たいという衝動が抑えられずようやく鑑賞。
ヒーローものの特撮の技術が下敷きにあると思われる映像は大作のクオリティと比べるとややチープで、観る人を確実に選ぶコアな内容なのだが、規制の厳しい昨今でここまで過激な映像に仕上げたのは評価できるところ。ほとんどのシーンで画面が真っ赤になるほどの血しぶきや肉体の切断・破壊描写は凄まじくグロテスク。最初の30分はしがない中年男の日常話がゆったりとしたテンポで進むだけに、そのあとのスピード感溢れる展開は圧倒された。バカバカしいほどアホな内容の結末もシュールでインパクト充分だった。
とはいえ、過激すぎてあまり人にはオススメできないのは確かで、ずっと同じようなテンションで痛い描写が続くため、映像にも慣れてくるし、新鮮味がなくなってくる。メリハリもない。ストーリーを求める映画ではないのだが、やはりエピソードがつまらない。ヒロインが所属する教会(入会金10万円)は今どきどうなの?というほどのコテコテの悪徳宗教だった。
フラスコ内外の人間の考えていることが空中に映し出されるシーンがあるのだが、スロー再生でよく見るともうテレビや新聞で表現したら大問題になるような内容の言葉がたくさん出てきており、なかなか攻めていると思った。
強面の名脇役田中要次の50歳を超えての初主演作。唯一の主演がこの作品なのはすごい^_^
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